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自分であるために~涙の雨と晴天の虹~
第4章 涙の雨と晴天の虹
モミの木に輝くネオン。もうすぐクリスマス。カップル達は手を繋ぎ、街の人達は浮かれている。
スマホのメール音が鳴る。
『今度は中華メイクなんてどうかな?』
京さんからだ。私は溜め息を吐く。相変わらず、京さんとは、たまに……会っていた。ハロウィンには本格的なコスプレ傷メイクをしてもらった。
「何、なに? まーた、京? もうすぐクリスマスだよね? いっそ、京に告白しなよー。胸に溜め込むの良くないよ? 聖なる夜に清く正しく、美しく……なんて、悲しいじゃん」
「でも……絶対、振られるって分かってるのに告白するってバカじゃないですか……」
あの一件以来、美紅さんが私に手を出してくることはなかった。そのかわり、壁の仕掛けの隠れ本棚……とやらを秘密だよって見せられた。そこにはところせましといやらしい漫画本や小説があった。
こういうの興味あるんだよね~…と人間ペットやら、SMやら、浣腸して排泄するところを見てみたい……なんて、この人の脳内は、相当な変態だった。が、「誰でもいいわけじゃないよー。好きな人にしたいだけ。好きな人の恥ずかしい姿って萌えるじゃん?」と悪びれもなく言った。変態なのに純粋。だから、好きにはなっていないが、嫌いにもなれなかった。