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自分であるために~涙の雨と晴天の虹~
第4章 涙の雨と晴天の虹
「振られるって分かってるからこそ、告白するんだよ。悲しい想いズルズル引きずってても救われないし、涙の夜は変わらないよ? あたしだからこそ断言できる。大丈夫だよ! 今度は、玉砕しても、あたしが慰めてあげるし!」

「美紅さんが言うと、変な意味に聞こえるんだけど……」

「なにそれー! 私、こう見えて純粋なんだからねー! 誰とでもシたりしないんだからー」

 口を膨らませる顔は、大人なのに子どもっぽくて、私はつられて笑った。確かにその通りだ。今のまま苦しい想いを、叶わない想いを抱えていても仕方ない。美紅さんの赤チェックのフリルスカートがはためいた。

 少なくとも京さんは、あの時の同級生のようにキモチワルイとは言わない。きっと真剣に答えてくれる。私に行為を向けてくれるこの人の気持ちをいつまでも宙ぶらりんにさせたままってわけにもいかない。

 流れる時間は平等。高校3年生。人生の分岐点まであと少し。次の分岐点では後悔しないよう、少しでも前に進むために、クリスマス近く、私は告白する──。
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