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自分であるために~涙の雨と晴天の虹~
第4章 涙の雨と晴天の虹

***
12月22日。
「お待たせ! 待った?」
京さんは、黒のロングコートを羽織ってきた。私は、美紅さんに選んでもらったクリーム色のフリルのついたブラウスにピンクのグラデーションチェックのミニスカートを履いていた。女の子は脚を出してなんぼ! 美紅さんの謎理論だ。
「いえ。今、着いたところです」
「今日、なんかいつもと雰囲気違うね。可愛いよ」
──ドキッ。
そんな一言に、やっぱり胸が高鳴ってしまう。
いつものメイクブースは混んでいて、並んで待っている間に色々な話をしてくれた。ファッションショーの話。最近の本職の話。動画の話。けれど、私の頭には何も入らなかった。今日の中華メイクが終わったら告白する。頭の中はそればかりだった。

