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自分であるために~涙の雨と晴天の虹~
第1章 生きにくい世界で出逢った人
「あぁ、ごめんごめん。俺は、こういう者です」
律儀に両手で名刺を渡されたので、両手で受け取る。メイクアップアーティスト都 京(みやこ きょう)
「へぇ~…メイクアップアーティストさんなんですね。……あと、あの……失礼承知でお聞きしますが、性別はどちらですか?」
「ん~どっちだと思う?」
「分からないから聞いてるんですけど?」
「……性別の話はあんまりされたくないんだけど、まあ、避けては通れない道だからね。体も戸籍も女だよ。でも、中身は……半分、男で半分、女……なのかなあ? ん~俺は俺だから……って答えでいい?」
……しまった。地雷、踏んでしまったなあって思って、私は一瞬、俯いたが、顔をあげた。
「失礼しました。で、時間を貸すって具体的に私は何をしたら?」
「君、綺麗な肌とパーツだからさー…メイクの練習させてよ!」
「あー…まあ、いいですよ」
死ぬのはいつでも出来る。この人の要望に付き合ってみるか……と京さんの後ろをついて、錆びた階段を下りた。
律儀に両手で名刺を渡されたので、両手で受け取る。メイクアップアーティスト都 京(みやこ きょう)
「へぇ~…メイクアップアーティストさんなんですね。……あと、あの……失礼承知でお聞きしますが、性別はどちらですか?」
「ん~どっちだと思う?」
「分からないから聞いてるんですけど?」
「……性別の話はあんまりされたくないんだけど、まあ、避けては通れない道だからね。体も戸籍も女だよ。でも、中身は……半分、男で半分、女……なのかなあ? ん~俺は俺だから……って答えでいい?」
……しまった。地雷、踏んでしまったなあって思って、私は一瞬、俯いたが、顔をあげた。
「失礼しました。で、時間を貸すって具体的に私は何をしたら?」
「君、綺麗な肌とパーツだからさー…メイクの練習させてよ!」
「あー…まあ、いいですよ」
死ぬのはいつでも出来る。この人の要望に付き合ってみるか……と京さんの後ろをついて、錆びた階段を下りた。