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狂愛の巣窟
第6章 【禁忌を侵す者たちは…】
一颯くん自身もいつもと違うスマートさを存分に出してくれて終始照れ笑いするのは私の方だった。
ちょっと普段じゃ行けないリッチなランチになったけど初めてのデートだから良いよね。
最上階へ向かうエレベーター内でも2人きりになればキスもしたいよね。
でも人気のランチらしいからすぐ人が乗ってきて離れる私たち。
景色の見えるテーブル席に案内してもらいフレンチのコース料理を嗜んだ。
「美味しいね」
「うん、美味しい」
たまに見せる等身大の一颯くんが私は可愛いなと思って見てるけど、素が出てる事にハッとして姿勢を正す姿は面白い。
「ごめん、お腹いっぱいにはならないかな?」
「そんな事ないよ、十和子さんとこんな処来れてめっちゃ舞い上がってるからそんな入んないかも」
そう言われて笑ってしまった。
緊張させたなら悪かったな。
何も言わず連れて来ちゃったから。
今度はもっとリラックス出来るお店にしようかな。
「大丈夫、私も本当はソワソワしてる」
「え、そうなの?十和子さんは慣れてそうだけど」
「一度来てみたかったお店だったんだ」
「じゃ、初めてなの?」
「うん、そうだよ」
“初めて”というワードにやたら嬉しそうね。
これからもっと色んな経験積んでいくんだろうけど、いつかこんな日もあったなって思い出してくれたら私は嬉しいよ。
良い思い出として残ってくれたら何も言う事はない。
デザートも堪能して腕を組んでお店を出る。
もう少しドライブデートしようかと言い出したところで車内に入ってすぐキスしてくる。
幸い駐車場は屋内であまり人気も居ないスペースだったけど、やっぱり親子揃って待てないのよね。
享さんもそうだから。
キスの仕方は全然違うけど自分色に染めてってる感じにゾクゾクしながら楽しんでる。
「ダメよ、こんなところで」
「ごめん、我慢出来なくて」
「知ってる、ずっとしたそうな顔してたもん」
「うん……早く抱きたい」