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狂愛の巣窟
第6章 【禁忌を侵す者たちは…】
帰っても一緒に居れるのにそんな風に言うのは現実に戻ると私は義理の母親になってしまうからでしょう。
一日限定の恋人同士。
夢から覚めるのは誰だって嫌です。
「もう少しだけ……魔法解けちゃうから」
そう言って一颯くんから車内キス。
焦らないで……私は此処に居るから。
「まだ俺だけの十和子さんで居て」
「うん……」
そうね、帰ったら現実では私は享さんと夫婦に戻ってしまう。
それが今は嫌なのね。
強引なキスも不安の現れ。
しっかり受け止めて返してあげる。
帰りはゆっくり回り道して帰る事にした。
すっかり遅くなり慌てて夕食を作り出したところで長女の有紗が帰って来る。
「あれ、ママどうしたの?遅いね?」
「ん?あぁ……ごめんね、ちょっと出掛けてて」
「ふーん、別に良いけど……キスマーク見えてるよ?」
「えっ!?」
ウソ…!いつの間につけられたの!?
享さんに見つかったら…!
「アハハ!うっそ〜!やっぱ今日お兄ちゃんとヤったんだ?え〜見たかったな」
ヤラれた……まさか15の娘にカマかけられるとは。
後からやって来た一颯くんに「からかうな」と注意されて益々ニヤニヤしてるけど。
「だってママ色っぽいもん、お兄ちゃんだって機嫌良いし、見てりゃわかるよ」
凄い観察力。
いや、もっと気を引き締めなきゃ。
享さんにもバレてしまう。
「お前こそ知らない香水移ってるぞ?男と居たろ?」
「うっ……」
「やっぱり…有紗そうなの?」
「いや〜たまたま迎えに来てくれて」
「ほら見ろ、人の事とやかく言うな」
「大丈夫ママ、ちゃんと勉強もしてるからね?心配いらないから」
私に向かってそう力説するのでギュッと抱き締めた。
たまにこうして娘を感じないと不安にもなるのです。
「有紗の存在自体が私の生きる術よ、一番に愛してるわ」
「やった〜ママの一番ゲット〜!て事で、いつか紹介しても良い?あ、勿論受験終わったら」
「彼氏の事?うん、待ってる」
「言っとくけどお兄ちゃんよりイケメンだから」
「オイ」