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狂愛の巣窟
第6章 【禁忌を侵す者たちは…】
アハハ〜と笑ってるけど、娘からすればどんな感情なんだろう。
自分の母親と血の繋がらない兄がそういう関係である事。
享さんともそういう関係ではっきりしない母親をどう見ているのだろうか。
「あ、でもやっぱママに会わせるのちょっと躊躇うな」
「え、どうして?」
「だってママ美魔女じゃん?彼が好きになっちゃったらどうしよう」
「バ、バカね、彼氏だって好きな人のお母さんとして見るに決まってるでしょ」
「え〜?だってお兄ちゃんべた惚れじゃん?ママに」
見事に絶句。
一颯くんも黙っちゃった。
「ていうかママが学校に来た時なんかクラスの男子皆から綺麗だって言われたよ?最初私のお姉ちゃんが来てるって思われてたみたい」
そんな大袈裟な。
前の学校ででしょ?
そういう事言うと真に受けて一颯くんが心配しちゃうから。
手を洗ってエプロン着けた娘はレタスを洗ってくれる。
カウンターキッチンなので前から覗く一颯くんがムスッとしちゃった。
「ていうか十和子さんより先に俺に会わせろ」
「はっ!?何でお兄ちゃんが!?」
あぁ、これはいつもの言い争いになる展開だ。
「わかった、こうしよう」と2人の口を止める。
「有紗が本当に会わせたいって思う人なら母としてちゃんと挨拶させてね?但し、享さんと一緒に居る時で構わないでしょ?彼氏くんからしたらいきなり両親で緊張しちゃうかも知れないけど」
聞けば一颯くんのひとつ上で20歳らしい。
二つ返事でOKを貰いました。
誰かさんも渋々納得…?してくれたかな。
「へぇ、有紗ちゃんが?大学生の彼氏居たんだ?」
ベットに入る前に享さんにはそれとなく耳に入れておいた。
「大丈夫なの?今が一番大事な時でしょ?恋愛は自由だけど大学受験って結構人生左右するからさ」って心配してくれる。
彼氏と同じ大学入りたいって猛勉強してる。
結構偏差値高いところだから相当頑張らないとって塾も増やしたところ。
休みの日は一颯くんも付き合わされて教えてくれてるし、一応、担任にはギリギリだけど合格範囲内にやっと入れたって感じらしいよ。