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狂愛の巣窟
第3章 【義理の父と兄に迫られて…】





「お店もそうだけど身の回りも大変でしょ?」




「それは兄貴も一緒に暮らしてるんだから大丈夫だよ」




「うーん、でも食事とか……」




義理のお父さまは離婚なさっていて独り身、お兄さまは別居中で調停離婚になりそうなんだとか。
とりあえずお父さまの居る実家に転がり込んでいる様子。




「兄貴がいつも賄い作ってるからその辺も心配は要らないと思うよ、ていうか十和子は俺の嫁さんなんだから手伝いはお店だけで良いの」




「わかった……」




「私とお兄ちゃんの事なら適当にするし心配しなくて良いからね?慌てず帰って来て」と長女からも心強いお言葉。
そのお兄ちゃんは拗ねてらっしゃいますけどね。
嗚呼、だから顔には出さないでって言ってるのに。




享さんも子供たちにお礼を言って私を借りるって説明していた。
実家の蕎麦屋さんには何度か行っていて車で2時間弱はかかる距離です。
お店が今はこのご時世ですのでランチタイムの14時までとなっている。
15時くらいにお店を出たとしても17時には戻って来れるので無理せず行けそうです。




定休日は水曜日です。
土日はやっぱり書き入れ時らしく、お店の前は行列も出るとか。
暫くはお兄さまが調理に入り、私も手伝いながら接客する事になる。
久しぶりのアルバイトです。




最後に享さんがお風呂へ入ったら寝室へ行く前に(ちょっとだけ部屋に行っても良い?)と一颯くんにメッセージを送った。
秒で扉が開き、廊下に居た私をグイと招き入れられる。




静かに扉を閉める背中を抱き締めた。
小さく「ごめんね」と伝える。
振り返ったら絶対されるってわかっていて、聞こえちゃいけないから会話もなく必然と唇を重ね合う2人。




声にしなくてもわかってるよ。
一番楽しみにしてた事、出来なくなってごめんなさい。
だから今こうして、ほんの短い時間だけど精一杯恋人になってあげる。




踵を上げて首に手を回して。
角度を変えて舌を絡ませる。
何度も何度も吸い合った。
離れてはくっついて、糸引いて。
やっぱり固くなったところ押し当てられて。










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