この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
欲しいのは愛だけ
第1章 港ごとにオンナって…
ネイリストの横浜さんは、
子供は居なくて、ご主人は海外赴任しているらしかった。
いくつかあるらしいネイル関係の協会の一つで、
最初は内部の講習会の講師をしている程度だったけど、
何かのパーティーでうちの社長と知り合って、
売り込みにやってきたのが愛人さんになったきっかけだった。
上昇志向というか、
とにかく自分を目立たせたいタイプで、
先に愛人さんとしては立場を確立してした大阪さんへの対抗意識たるや、かなりのものだった。
パーティーでニアミスする時なんかは、
バチバチという音が聴こえるくらいで、
その夜、どっちと社長が過ごすかで本当に毎回大変だった。
絶倫なのかどうかはよく判らなかったけど、
2人の部屋をハシゴすることもあった。
そんな時は、
副社長を動員していて、
共有ドライブのデータを目にするようになって、
社長の繋ぎに愛人さん達と部屋に居るのも判った。
年齢的には、横浜さんの方が10歳ほど若くて、
30代半ばで、
ネイリストとして雑誌や書籍に掲載されたり、
メディアにもかなり露出していた。
「エグゼクティブたる者は、
指先も綺麗じゃないとね?」と言って、
社長は定期的に横浜さんのマンションに行って、
ピカピカに爪を磨いて貰っていた。
本当なら、サロンの方に行けば良いのに、
自宅マンションの朝に行くのが定番で、
その日は前夜から泊まっている。
私はそこに呼び出されて、
入れ違いに爪の手入れをされて、
多額の請求書を会社に持ち帰っていた。
何をどうやったらそんな金額になるのか判らない。
社長の爪も私の爪も1本あたり1万円換算。
確かサロンの家賃も会社持ちだ。
それが、お手当って処で、
それ以外にも、大阪さんに対抗して買ってあげたらしいバッグやアクセサリーの請求書を、社長は私に回してきたりした。
大阪さんは、多分ご主人様か別の人に貢がせているのか、
こちらに請求書は来ない。
毎回、経理の人が、
「これ、経費じゃ落ちませんよ」と怒りまくっていた。
バッグもアクセサリーも、
どうしてそんなに要るのかも解らない。
気に入ったものが少しあれば良いのに。
相手がいて、
負けたくないという気持ちだけで、
果てしない戦いが繰り広げているのが不思議だった。
子供は居なくて、ご主人は海外赴任しているらしかった。
いくつかあるらしいネイル関係の協会の一つで、
最初は内部の講習会の講師をしている程度だったけど、
何かのパーティーでうちの社長と知り合って、
売り込みにやってきたのが愛人さんになったきっかけだった。
上昇志向というか、
とにかく自分を目立たせたいタイプで、
先に愛人さんとしては立場を確立してした大阪さんへの対抗意識たるや、かなりのものだった。
パーティーでニアミスする時なんかは、
バチバチという音が聴こえるくらいで、
その夜、どっちと社長が過ごすかで本当に毎回大変だった。
絶倫なのかどうかはよく判らなかったけど、
2人の部屋をハシゴすることもあった。
そんな時は、
副社長を動員していて、
共有ドライブのデータを目にするようになって、
社長の繋ぎに愛人さん達と部屋に居るのも判った。
年齢的には、横浜さんの方が10歳ほど若くて、
30代半ばで、
ネイリストとして雑誌や書籍に掲載されたり、
メディアにもかなり露出していた。
「エグゼクティブたる者は、
指先も綺麗じゃないとね?」と言って、
社長は定期的に横浜さんのマンションに行って、
ピカピカに爪を磨いて貰っていた。
本当なら、サロンの方に行けば良いのに、
自宅マンションの朝に行くのが定番で、
その日は前夜から泊まっている。
私はそこに呼び出されて、
入れ違いに爪の手入れをされて、
多額の請求書を会社に持ち帰っていた。
何をどうやったらそんな金額になるのか判らない。
社長の爪も私の爪も1本あたり1万円換算。
確かサロンの家賃も会社持ちだ。
それが、お手当って処で、
それ以外にも、大阪さんに対抗して買ってあげたらしいバッグやアクセサリーの請求書を、社長は私に回してきたりした。
大阪さんは、多分ご主人様か別の人に貢がせているのか、
こちらに請求書は来ない。
毎回、経理の人が、
「これ、経費じゃ落ちませんよ」と怒りまくっていた。
バッグもアクセサリーも、
どうしてそんなに要るのかも解らない。
気に入ったものが少しあれば良いのに。
相手がいて、
負けたくないという気持ちだけで、
果てしない戦いが繰り広げているのが不思議だった。