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欲しいのは愛だけ
第12章 手にしたもの
メイちゃんと2人の誕生日を迎えるゴールデンウィークも、
ふーちゃんの1歳の誕生日も実家も含めて大家族で過ごした。

航平さんは未だに誕生日を教えてくれないけど、
なんとなく9月になった土曜日にお祝いをしてみた。

そんなに乙女座が嫌なの?と言うと、
むくれるのが可笑しかった。

勿論、ピアノのレッスンと私の茶道と華道のお稽古でも、
毎週、それぞれの実家に行き来をしていた。

茶道は平日の昼間に1人で行くことが多かったけど、
お義父様と仕事の話をするからと、
航平さんの車で行くことも多くて、
ふーちゃんも連れて行ったり、
メイちゃんが学校から戻ってから一緒に行くことも多かった。


その度に、
「メイの着物姿、良いよな」と、
航平さんが毎回言ってくれてたりした。



11月に鎌倉の祖父と航平さんのお祖父様が秋の叙勲という、
ダブルにおめでたいことがあって、
正装をして家族写真を撮ったり、
お食事会をした。

着物を着ると、航平さんが物凄く喜ぶので、
時々、お茶のお稽古じゃない時にも着ましょうかという話もしていた。


程なくして、
顧問弁護士をしている会社のアメリカ法人の代表が来日した時も、
お着物でお出迎えしてご一緒することになった。


滞在2日目の夜、
会食の後、
銀座のお店でもとなって、
ママさんのクラブに行った時のことだった。


お店は比較的混み合っていて、
新人さんだという女性が席について、
私は固まってしまった。

元夫の浮気相手だったからだ。

私は軽いパニックを起こしてしまったようで、
お化粧室にフラフラしながら行って、
吐き気を抑えて呼吸を整えていた。


ドアから出ると、

「このお店で働いてるの?
そんな高そうな着物なんか着ちゃって!
あんたのせいで最悪だったんだから?」と言って、
いきなり頬を叩かれてそのまま倒れてしまった。
頭が飾りテーブルの脚にぶつかる。

これまで、誰からも、
そしてどこも叩かれたことがなかったので、
何が起きたかも判らなかった。


不穏な空気を感じた黒服の方が、
小走りでこちらに来て、

「メイ様、どうなさいましたか?」と声を掛けて立たせてくれたけど、
私は声が出なくてそのまま立ち尽くしてしまっていた。


「ママと森田様、呼んで!」と、
奥に声を掛けている声が遠くで聴こえるような気がした。




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