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欲しいのは愛だけ
第14章 手に入れた愛
母も横浜に戻って、
親子5人でも生活のリズムがだいぶ整ってきたのは秋から冬になろうかとしている季節になる頃だった。


お腹の傷はやはりいつまでも痛さは残ってたりして、
航平さんと一緒には寝ているけど、
キスをしたりハグするくらいだった。

はーちゃんの授乳もあったし、
ふーちゃんが寂しがって私と航平さんの間に潜り込んで眠ることもあったりした。


そんなことが続いたある夜、
ベッドに横になってから航平さんが神妙な顔をして話があると言った。


「あのさ、俺、手術を受けようと思ってるんだ」

「えっ?
どこか悪いの?
ごめんなさい。
私、ちっとも気がつかなくて…」

「いや、具合悪いわけじゃなくてさ。
パイプカットしようと思ってるんだ」

「えっ?」

「子供が出来ないように、
んー。
通り道を止めちゃうやつ」

「どうして…?」

「どうしてって…。
出産でメイ、お腹に大きい傷作ってさ。
手術も死ぬんじゃないかと心配で心配で。
その後も、痛々しくて、可哀想で…」

「でも、それ、
航平さんのせいじゃないでしょ?」

「俺がもう1人、子供欲しいって言ったから…。
でも、有難いことに子供授かったし、
メイも無事だった。
だから、もう子供、要らないかなと思って。
手術したら、妊娠するかもって心配しなくても良いし、
生で出来るから、
コンドームつけた時の痛さとか違和感みたいなものからも解放されるよ?」

「手術って…痛いんじゃないですか?
危険はないの?」

「メイのお腹の傷に比べたら大したことないよ。
稀に勃たなくなることもあるらしいから、
そっちは心配だけどさ。
俺、そうなっても、メイとなら、
キスしたりハグしたり手を繋いだりして、
一緒に寝たりするだけでも幸せだなって思えるから、
そんなにリスクだとは思わないんだ。
メイが、そんな役に立たないのは嫌だっていうなら、
他の努力すれば良いかなって思うし…」

「他の努力…?」

「道具使うとか、
舐めまくったりするとか…。
メイは勃たなくなったら、
俺のこと、捨てるのかな?」

「まさか!
私も…こうやって抱き締められてるだけで幸せです。
キスだけでも気持ち良いし…。
もしも勃たなくなったら…
勃つように色々なこと、しますから」と言うと、
航平さんは「ありがとう」と言って額にキスをした。
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