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欲しいのは愛だけ
第2章 同窓会
「何年卒業?楽器は?」と突然訊かれて、
少し驚きながらも卒業年と楽器を口にしてしまう。

「だったら、うちの奥さんの後輩だな?
同じ楽器の森田…あ、旧姓だと田中優子…」

「えっ?優子先輩のご主人様なんですか?
お迎えにいらしたんですか?」と言うと、

「まあ…。
迎えは要らないって言われてね。
帰る処なんだ」と、顎の下を掻いた。

「そうなんですか」と言ったけど、
それ以上、話すこともなくて黙ってしまった。

「君は?
脚が痛そうだけど、どうするの?
送るよ」

「あの…遠いので。
横浜ではないんです」

「ふーん。何処?」

「銀座です」

「何丁目?」

「2丁目です」

「近いから送るよ」と言って、エレベーターに向かって歩き始める。

一瞬、どうしたら良いか判らず、
混乱してしまう私の方を見て、

「歩けないの?
おんぶしようか?」と笑いながら言うので、

「大丈夫です」と答えて、
慎重に歩き始めてついていった。


「腕を貸そうか?
本当におんぶする?」と言われて、
紅くなってしまった。


エレベーターの中からぼんやり夜景を観ていると、
フワリと柔らかい香りがした。


「クロエですか?」

「良く判ったね?」

「男性では珍しいですよね」

「そうなのかな?
この香り、好きで毎日これ。
これつけてる女の子も、好きだな」と言って笑う。


エレベーターから降りる時に腕を組んで、
「寄り掛かって良いよ?
本当に痛いならおんぶするから」と言うけど、
流石におんぶは恥ずかしすぎるので、
丁重にお断りした。

そしたら、フワリと抱き上げてそのまま、
駐車場を進む。

私は驚いて脚をバタつかせると、
「大人しくして?
動かれると重くなるから」と言われてしまって、
仕方なくそのまま運んで貰った。


車に着くと、静かに私を降ろしてキーを開けてドアを開いてくれた。

助手席に座ると、
運転席に回り込んで座って、
「靴、脱いでた方が脚先が楽なんじゃない?
助手席、誰も座らないから、足元、汚れてないよ」と言った。


ベンツの中でもあまり乗っている人は見掛けないクラスなのは、
車に疎い私でも判った。


でも、初対面の見知らぬ男性の車に乗ってるこの状況って…
危なくない?





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