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欲しいのは愛だけ
第14章 手に入れた愛
すっかりご無沙汰していた名前を久し振りに目にしたのは、
勤めていた会社の経理担当者からのメールだった。
その内容は、
藤堂先生が亡くなって、
母校の教会で葬儀を執り行うことになったというものだった。
航平さんに同行してもらうことにして、
参列することにした。
意外にも、伊藤社長が親族の席に座っていた。
静かに驚きながらも、顔に出すのは大人気ないので、
会釈をして花を手向けた。
1週間ほどして、その伊藤社長からメールが届いた。
航平さんと、元の会社に来て欲しいという内容だった。
更に困惑しながらも、2人で出向いた。
藤堂先生の死因は、乳癌だったそうだ。
見つかった時には既にステージ4で、
延命治療も望まなかったとのことだった。
そして、もっと驚いたことには、
社長と藤堂先生先生は離婚してなかったそうだ。
お灸を据えられる形で、
会社も家も追われて、
一時、名古屋さんのところに転がり込んだけれど、
「社長が愛しているのは、藤堂先生お一人なんでしょう?」と言われて、
そこも追い出されてしまい、
藤堂先生の処に行って土下座をしたら、
「やっと謝ってくれたのね?」とあっさり家に入れて貰えたそうだ。
その後は、主夫をして、
藤堂先生がボスのような生活をしていたそうだった。
藤堂先生が闘病生活に入った頃から、
再び、平取締役で会社に戻り、
藤堂先生の持っていた株式を相続する形で社長に返り咲いたと言われた。
そして、
「秘書に戻って貰うのは無理だと思うので、
顧問弁護士としてご主人と契約したい」と言われた。
「子供も居なかったから、
この会社が子供だと彼女から言われていた。
だから、少しでも良くしたい。
力を貸して欲しい」ということだった。
「あの…。
申し訳ございませんが、
うちの事務所の顧問料、
お高いですよ?」と言うと、
「言い値で構わないよ?
その代わり、2人で担当して欲しい。
まずは、M&Aしたくて、その件から…」と、
以前からは考えられないようなことを話し始めた。
話を聞きながら、
藤堂先生も社長も、
最後には愛を手に出来たのかなと思った。
身を引いた名古屋さん、
横浜さんや大阪さんはどうしているのだろうと思いながら、
愛を手に出来てることをそっと祈ってみた。
勤めていた会社の経理担当者からのメールだった。
その内容は、
藤堂先生が亡くなって、
母校の教会で葬儀を執り行うことになったというものだった。
航平さんに同行してもらうことにして、
参列することにした。
意外にも、伊藤社長が親族の席に座っていた。
静かに驚きながらも、顔に出すのは大人気ないので、
会釈をして花を手向けた。
1週間ほどして、その伊藤社長からメールが届いた。
航平さんと、元の会社に来て欲しいという内容だった。
更に困惑しながらも、2人で出向いた。
藤堂先生の死因は、乳癌だったそうだ。
見つかった時には既にステージ4で、
延命治療も望まなかったとのことだった。
そして、もっと驚いたことには、
社長と藤堂先生先生は離婚してなかったそうだ。
お灸を据えられる形で、
会社も家も追われて、
一時、名古屋さんのところに転がり込んだけれど、
「社長が愛しているのは、藤堂先生お一人なんでしょう?」と言われて、
そこも追い出されてしまい、
藤堂先生の処に行って土下座をしたら、
「やっと謝ってくれたのね?」とあっさり家に入れて貰えたそうだ。
その後は、主夫をして、
藤堂先生がボスのような生活をしていたそうだった。
藤堂先生が闘病生活に入った頃から、
再び、平取締役で会社に戻り、
藤堂先生の持っていた株式を相続する形で社長に返り咲いたと言われた。
そして、
「秘書に戻って貰うのは無理だと思うので、
顧問弁護士としてご主人と契約したい」と言われた。
「子供も居なかったから、
この会社が子供だと彼女から言われていた。
だから、少しでも良くしたい。
力を貸して欲しい」ということだった。
「あの…。
申し訳ございませんが、
うちの事務所の顧問料、
お高いですよ?」と言うと、
「言い値で構わないよ?
その代わり、2人で担当して欲しい。
まずは、M&Aしたくて、その件から…」と、
以前からは考えられないようなことを話し始めた。
話を聞きながら、
藤堂先生も社長も、
最後には愛を手に出来たのかなと思った。
身を引いた名古屋さん、
横浜さんや大阪さんはどうしているのだろうと思いながら、
愛を手に出来てることをそっと祈ってみた。