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欲しいのは愛だけ
第3章 初めてのデート
かなり混み合って来たので、
移動することにした。

「買い物はこれで良いの?」

「えっと、あとはお肉とお魚、買います。
紀伊國屋、行きたいです」

「なんかさ、セレブっぽいよね?」

「1人だと沢山は食べないし、
銀座もおんなじようなもんだし、
色々な食材あって、楽しいですよ?」

「料理するんだ」

「まあ、主婦でしたしね?
お弁当も持っていってますよ?
外食続くと飽きちゃうし」

「ふーん。
良いなぁ、手料理」


エブリンから紀伊國屋のエコバッグを出して、
会計をすると、
「お米はあるし、後は銀座で食パン買ったら買い物終了ですよ」と言って笑った。

そのエコバッグも持ってくれるので、
なんだか申し訳なく思ってしまった。


地下鉄で銀座に戻って食パンを買って、
のんびりマンションに向かった。


「本当にすっかり荷物を持たせてしまって…
ありがとうございました。
あの…コーヒー、飲んでいきませんか?」と言うと、

「いや、自信ないから」と言われてしまう。


「えっ?」

「軽く酔っ払ってて、
部屋に上がったらさ、
俺、また、キスとかしちゃいそうだから」

「んー。
それは困りましたね。
手錠でも嵌めておきましょうか?」

「えっ?
そんなもん、持ってるの?」

「冗談ですよ。
じゃあ、動けないように、
ロープでグルグル巻きにしときましょう」

「ロープって…」

「確か、キャンプ用具の中に、
あったような気がする」

「キャンプなんて行くんだ」

「行ったことないですけどね?
なんか、1人でのんびりしたくて、
ソロキャンプ用具、一式買ったけど、
袋に入れたまま置いてあります」

「メイ、本当に面白いね?
じゃあ、グルグル巻きでも良いから、
コーヒー淹れて?
取り敢えず、荷物運ぶから」と言ったので、
2人でエントランスを抜けてエレベーターに乗り込んだ。


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