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欲しいのは愛だけ
第4章 甘い夜
そんな甘い会話をしてキスをしていたら、
航平さんのお腹が鳴って、
「なんか…腹減ってきた」と言うので笑ってしまった。


「外に食べに行こうか?」


「何か作りますよ?
お仕事だと外食ばかりでしょ?
たいしたものは作れないけど…」


「えっ?
手料理?
それは最高だな?
手伝おうか?」


「適当に座っててください。
あ、うち、テレビが無いから、
音楽でも掛けますか?」と言って、
リビングの片隅に置いてあるレコードを掛けた。


「懐かしいな。
レコードプレイヤーでLP聴くの、
久し振りだな。
レコード観てて良い?」と言うので、
壁収納になってる棚を開けて、
「この辺りがレコードですよ?」と言った。

航平さんは胡座をかいて、
レコードを見始めたので、
私はキッチンで料理を始めた。


お米を研いでスイッチを入れてから、
お弁当用の常備菜を並行して作ってはタッパーに入れていく。
野菜は小分けしたり下処理して冷凍していく。


好みも判らないので、
目玉焼きをのせたハンバーグに温野菜を添えて、
ご飯とお味噌汁という、
学食みたいなメニューにした。


ご飯が炊き上がるタイミングで出来上がったので、
ダイニングテーブルにランチョンマットを敷いて並べて行った。


「もう出来たんだ。
早いね」と言って、
「手を洗ってくるね?
あ、パンツ一丁だったから、チノパンも履いてくるよ」と笑った。


手を揃えて「いただきます」と言うと、
真似して航平さんも同じ格好で同じことを言う。


「お魚とか、肉じゃがとかの方が良かったですか?」と笑うと、
「メイが作ってくれるものなら、
何でも良いよ。
凄く美味しい」と言って、
物凄い勢いで食べるので、
目を丸くしてしまう。


「あっ。
早食い過ぎるよね?
ごめん。
ゆっくり食べるよ」と子供みたいな顔で笑った。


「家にアルコール、置いてなくて…。
お茶しかないんです」

「良いよ。
嫌なこと忘れたくて飲んでばかりいたから、
ちょうど良いし」

ゆっくり食べ終わると、
一緒に食器を運んでくれる。

「食洗機にかけるから、大丈夫ですよ?」と言っても、
「手伝うよ」と言うので、
軽くお湯で汚れを落として食洗機に入れて貰うのをやって貰った。

「漆器は私が洗いますね」と言って、
丁寧に洗ってから柔らかい布巾でそっと水分を取った。


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