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欲しいのは愛だけ
第7章 サヨナラ社長
「社長の奥様がね、
離婚して社長達を会社から追い出すからって言ってて、
私ももっと良いポジションにって言ってるけど、
同じ業界に居ると嫌でもまた、顔を合わせるかもしれないし、
そういうゴタゴタに巻き込まれる前に、辞めたいの」


「そういうことなら、すぐに辞表出して?
30日前とか、60日前とか、規定あるだろうから、
とにかく辞表で意思表示して、
最速で辞めれるようにしよう。
有給もたくさんあるだろうから、それを消化すれば良いよ。
そこまで酷いなんて思わなかったし、
離婚とか経営陣交代の時に、
どちらかの肩棒担いでいたとか言われると、
逆恨みされることもあるから」


「証拠集めも、奥様から頼まれたけど、
誰でも観れる処にデータがあることを伝えたくらいで…。
経理とかの証拠もコピーしたけど、経理の人が渡したって聞いたから、
私からはお渡ししてないし、
誤送信の社長のメールも、
転送したり印刷して渡したりもしませんでした。
なんか、コソコソしてるみたいで嫌だったし…」


「だったら巻き込まれる心配は少ないな。
メイを食べさせるくらい、問題ないよ?」


「取り敢えず、メールで今日の日付で…
4月30日付で、辞表、出しておきますね」


「うんうん。
そこまで酷いとは…。
もっと早く気づけば良かったね?
ごめん」と言ってくれた。



そして、藤堂先生にもメールで入籍したので大変申し訳ありませんが退職させていただくことになりましたと連絡をした。



社長からはすぐに電話が来た。


「青山君、辞めるって一体?」

「あの…夫の希望で急で申し訳ありませんが…」と言う。

「いや、せめて子供が出来るまでとか…」

「引継ぎの為のファイルは、前任者からの物に追加して、
この休み中に仕上げておきますので…」と言った。

その電話を航平さんが取り上げて、

「さつきが大変お世話になりました。
私の仕事のこともあり、
また両親の介護などもありますので、
急で申し訳ありませんが…。
本当にありがとうございました」と言ってくれたので、
あっさり電話は終われた。

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