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欲しいのは愛だけ
第7章 サヨナラ社長
引き継ぎも無事に終わって有給消化して、
そのまま退職の日を迎えた。
最終日に幹部だけで夕食会をとなって、
和やかなフリをみんながしているうちに、
その会も終わった。
二次会に誘われないようにと、
航平さんが迎えに来てくれて、
皆さまにご挨拶して、そのまま私を連れ出してくれた。
「なんか、みんな、ポーカーフェイスしてたけど、
色々なモノが見えてたね?」と、航平さんが笑って言った。
会社の人とは特に個人的なやり取りはしていなかったけど、
2ヶ月ほどしたある日、
藤堂先生から短いメールが届いた。
一応、離婚が成立して、
マンションから社長は出ていったことと、
取締役会で社長と副社長の辞任が決まり、
自分が後任の社長に、
専務が副社長になったという内容だった。
愛人さんなど私的なことに会社のお金を使っていたことについては、
確定出来る範囲でその金額を会社に返納することになり、
文字通り、丸裸で家からも会社からも追われた状況とのことだった。
良かったですねとも言えないので、
ひとまず、藤堂先生の今後のご活躍と会社の発展を心よりお祈り申し上げますとだけ返信した。
これでもう、二度と社長や愛人さん達と会うこともないだろうも思っていた。
そして穏やかな秋の祝日に、
航平さんと私の披露宴を帝国ホテルで執り行った。
身内だけのつもりが、
両方の父親と航平さんが仕事関係の方もお呼びしたので、
ささやかというより少し規模が大きかった。
多分、酷い結婚をさせてしまった分、
幸せな再婚をする私を周囲に見せたいという気持ちが父にあったのかもしれない。
また、航平さんのご両親にとっても、
酷い嫁と別れて、
改めてお嫁さんを迎えられた喜びを周囲にも知らせたかったんだと感じた。
そして、航平さん自身も、
自分の仕事関係者を呼んでいた。
「メイを見せびらかしたいから」と航平さんは笑っていた。
バランス的にというわけではなかったけど、
前職の上司ということで、
藤堂先生、今は藤堂社長をお招きした。
久し振りにお会いした藤堂先生は、
以前より更にキリリとして美しかった。
私はとても幸せで、
終始、航平さんと目が合う度にニコニコ笑っていた。
そのまま退職の日を迎えた。
最終日に幹部だけで夕食会をとなって、
和やかなフリをみんながしているうちに、
その会も終わった。
二次会に誘われないようにと、
航平さんが迎えに来てくれて、
皆さまにご挨拶して、そのまま私を連れ出してくれた。
「なんか、みんな、ポーカーフェイスしてたけど、
色々なモノが見えてたね?」と、航平さんが笑って言った。
会社の人とは特に個人的なやり取りはしていなかったけど、
2ヶ月ほどしたある日、
藤堂先生から短いメールが届いた。
一応、離婚が成立して、
マンションから社長は出ていったことと、
取締役会で社長と副社長の辞任が決まり、
自分が後任の社長に、
専務が副社長になったという内容だった。
愛人さんなど私的なことに会社のお金を使っていたことについては、
確定出来る範囲でその金額を会社に返納することになり、
文字通り、丸裸で家からも会社からも追われた状況とのことだった。
良かったですねとも言えないので、
ひとまず、藤堂先生の今後のご活躍と会社の発展を心よりお祈り申し上げますとだけ返信した。
これでもう、二度と社長や愛人さん達と会うこともないだろうも思っていた。
そして穏やかな秋の祝日に、
航平さんと私の披露宴を帝国ホテルで執り行った。
身内だけのつもりが、
両方の父親と航平さんが仕事関係の方もお呼びしたので、
ささやかというより少し規模が大きかった。
多分、酷い結婚をさせてしまった分、
幸せな再婚をする私を周囲に見せたいという気持ちが父にあったのかもしれない。
また、航平さんのご両親にとっても、
酷い嫁と別れて、
改めてお嫁さんを迎えられた喜びを周囲にも知らせたかったんだと感じた。
そして、航平さん自身も、
自分の仕事関係者を呼んでいた。
「メイを見せびらかしたいから」と航平さんは笑っていた。
バランス的にというわけではなかったけど、
前職の上司ということで、
藤堂先生、今は藤堂社長をお招きした。
久し振りにお会いした藤堂先生は、
以前より更にキリリとして美しかった。
私はとても幸せで、
終始、航平さんと目が合う度にニコニコ笑っていた。