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レコンギスタ~征服される制服
第1章 里奈

「さすがにあの時は肝が冷えたよ。何せ自分の教室を吹き飛ばすつもりだったらしいからな。まったく何考えてんだよ。俺はそんなことで貴重な時間を失いたくなかったんだがな」
男はうんざりしたような口調で語った。その目の前でマリアが震えている。顔色は青を通り越して真っ白になっているようだ。そんな彼女に憐れみの視線を送りながらも男は淡々と語った。「それでだ、どうしたものかと考えてる時にお前が現れた」「私が?」
男が指したのはもちろんこの少女だ。マリアはその男を見上げて首を傾げた。「ああ。お前も俺と同じ種類の生き物だろう。それも人より力のある奴の匂いだ」「そういえば」
初めて出会った時もこの人は私を見ても特に驚きはしなかったっけと、マリアは思い起こす。そして目の前の男は、自分がかつて里奈だった頃と全く変わらない様子であることに気づく。ということは――
そう考えるマリアに男は話しかけた。その顔はやはりどこか人間離れしていた。まるで悪魔のようだと思う。そして彼は続けた。
マリアは自分の予想を確かめずにはいられなかった。そう、もしかすると自分は――? マリアの頭の中で一つの答えが出る寸前、男はマリアの考えを読んだかのように答えを口にした。あるいは彼の場合は最初から分かっていたことだったのか。
そう、男は告げた。マリアの心を絶望の底に叩き落しながら。
お前の考えている通りだ。俺もまた、里奈と呼ばれる生き物の一部だよ。
俺たちは【おとな】のオモチャなんだ。そう暴露するとマリアの首筋に針を立てた。
「お前は少し知恵をつけすぎた。おやすみ。汚い大人の世界に染まる前に」
マリアの脈を確認する。そして彼はスマホに始末しました、と呟いて自分の腕を刺す。
【おとなの】オモチャ。
世界総生産の99%を所有し人の命や不幸さえも買えるようになった人々がいる。末代まで遊んでも使い切れない金のやりばに困り、公海を埋め立ててどの国にも属さない島をつくった。
文字通りの無法地帯で非合法な生き物が不自然な生涯を閉じる。それが善なのか悪なのか、神のいない島で誰もジャッジできない。
男はうんざりしたような口調で語った。その目の前でマリアが震えている。顔色は青を通り越して真っ白になっているようだ。そんな彼女に憐れみの視線を送りながらも男は淡々と語った。「それでだ、どうしたものかと考えてる時にお前が現れた」「私が?」
男が指したのはもちろんこの少女だ。マリアはその男を見上げて首を傾げた。「ああ。お前も俺と同じ種類の生き物だろう。それも人より力のある奴の匂いだ」「そういえば」
初めて出会った時もこの人は私を見ても特に驚きはしなかったっけと、マリアは思い起こす。そして目の前の男は、自分がかつて里奈だった頃と全く変わらない様子であることに気づく。ということは――
そう考えるマリアに男は話しかけた。その顔はやはりどこか人間離れしていた。まるで悪魔のようだと思う。そして彼は続けた。
マリアは自分の予想を確かめずにはいられなかった。そう、もしかすると自分は――? マリアの頭の中で一つの答えが出る寸前、男はマリアの考えを読んだかのように答えを口にした。あるいは彼の場合は最初から分かっていたことだったのか。
そう、男は告げた。マリアの心を絶望の底に叩き落しながら。
お前の考えている通りだ。俺もまた、里奈と呼ばれる生き物の一部だよ。
俺たちは【おとな】のオモチャなんだ。そう暴露するとマリアの首筋に針を立てた。
「お前は少し知恵をつけすぎた。おやすみ。汚い大人の世界に染まる前に」
マリアの脈を確認する。そして彼はスマホに始末しました、と呟いて自分の腕を刺す。
【おとなの】オモチャ。
世界総生産の99%を所有し人の命や不幸さえも買えるようになった人々がいる。末代まで遊んでも使い切れない金のやりばに困り、公海を埋め立ててどの国にも属さない島をつくった。
文字通りの無法地帯で非合法な生き物が不自然な生涯を閉じる。それが善なのか悪なのか、神のいない島で誰もジャッジできない。

