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重ねて高く積み上げて
第2章 私の時間
「経験あるなしに関係なく、特別な感情を抱いていない相手に体触られるのは誰でも嫌だと思いますが?」

「そうだよなー。俺も春川以外に触られても嬉しくないしなー」

⋯⋯はい?

さっきのしょんぼりした顔はどこいった、と聞きたくなるほど、いつも通りの表情でカツ丼を口に運んでいる。意味不明な言葉に面食らって見つめていると、視線に気がついたのか目が合う。小首を傾げながら、にっこり微笑まれるが、高橋さんの言葉に理解が追いつかない。

自ら男性に触れたことないはずだ。偶然、指先が触れたりすることはあっただろうけれど、それは不可抗力だ。私の意思ではない。相手が高橋さんなら尚更。

私の歪んだ表情を見てケタケタ笑う。

「春川から触ってくれることないけどな」

4分の1ほど残った玉子丼。それらを残して、今、ここから立ち去りたい気持ちでいっぱいになるが、これを出してくれたおばちゃんの笑顔が浮かぶ。少し落ち着きたい。この男に振り回されたっていい事はない。

大きく深呼吸をして、高橋さんが視界に入らないよう白い天井を見上げる。窓が近い席に座っているため、外からの光で、のどかな色合いに変わっている。あー⋯⋯ユウくんと花見に行きたいなぁ。

「こんだけ押してもなびかない女、初めてでどうすればいいかわからないんだけど。何したら喜んでくれるの?」

肘をついて顎を支えて口角を上げて笑いながらも、機嫌を伺うようにこちらを見ている。ああ⋯⋯顔が良いと、これだけでほだされてしまう女が多かったに違いない。イケメンにご機嫌取りをされて悪い気分にはならない。食事中に肘さえついていなければ、もっと良い気分に浸ることが出来ただろう。

なぜ高橋さんが苦手なのかといえば、1番の原因はセクハラが多いからだ。そのセクハラさえ無かったら⋯⋯関係性は変わっていたかもしれない。少なくとも、ここまで苦手意識はなかっただろう。

「とりあえず、経理部に頻繁に来ることはやめて欲しいです⋯⋯私だけの問題じゃなくなるし⋯⋯」

「オーケー。んで? 他には?」

余裕の笑みで私を見つめる高橋さんに、居心地が悪くなる。私は何も悪くないはずなのに、尋問されている気分だ。

「セクハラもやめて欲しいです。体触ったり⋯⋯さっきの、処女か⋯⋯とか」

「あー⋯⋯スキンシップはやめる。ただ、知らない事の方が多いうちは色々聞くぞ?」

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