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重ねて高く積み上げて
第2章 私の時間
実際にそんな事ってあるのだろうか……事実は小説よりも奇なりと言うくらいだからあってもおかしくは無いのだろうけれど、頻繁に起こりうることなのだろうか。

そこまで考えて頭を振る。

ユウくんが一夜限りで誰かを抱くなんて想像したくない。誰でも良いのなら、そこら辺の適当な女ではなくて、私を抱いて欲しい。ずっとユウくんしか見えてなかったから、23歳になった今も処女だ。キスだってしたことない。……経験値が圧倒的に足りない。

「おはようございます」

コーヒーの匂いがただよう朝の職場で、特定のだれかではなく不特定多数の社員に挨拶をする。数名から返される挨拶を受け、入り口から遠い私のデスクを目の前にして、初めて気がつく。大量の紙袋が、それも中身入りのお土産らしき物が所狭しと置かれている。

いつから私のデスクは物置になったんだろう……。

「吉野さん、おはようございます。あの、これ何か知ってます?」

隣で既にパソコンと向かい合っていた吉野さんが、分厚い眼鏡の奥から私を見る。淡いオレンジ色に塗られた唇が開く。

「あ、これさっき――」

「よお春川! やっと来たな。これ、俺からのお土産」

ガツッと肩が重たくなる。同性相手にするような肩の組まれ方をして、若干痛い。

「セクハラですよ、高橋さん。触らないでください」

パッと離れる手。無罪を主張するかのように両手を上げているけれど、確実に有罪です。吉野さんも証人です。ほら、驚いたように薄く口を開いてこっちを見ている。

「久しぶりに会えたから嬉しくてさ。春川、少し見ないうちに美人になったな〜」

「近所のおじさんですか」

人懐っこい笑顔でセクハラをしてくる高橋さんが少し苦手だ。営業部の高橋さんと言えば知らない人はいないであろう、期待されているエース。私の所属する経理部にも活躍が耳に入ってくるから、仕事は出来るのだろうけれど、いかんせんスキンシップが激しいのだ。

肩を組むのなんていつもの事で、腰を抱き寄せられることもたまにある。明らかなセクハラだ。それでも問題にならないのは、顔や持っている雰囲気がどうしようも無く良いからだろう。

以前、給湯室で営業部の女性社員が「肩とかよく叩かれるけど、いやらしくないから気にしたことない」と頬を染めていたことを思い出す。

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