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愛しているからセックスしたい
第1章 月明かりの中で
なんとなく眠れなくて、私はベッドから抜け出した。
彼を起こさねように細心の注意をはらいながら。
私は部屋が真っ暗じゃないと寝つきが悪い。だから寝室に余分な光はない。手探りで部屋を進み、リビングに続く扉を開けた。
リビングにも余計な明かりはつけていない。閉めたカーテンの隙間から月明かりが漏れていた。そのカーテンに私は手をかける。
暗闇に慣れた瞳に眩しい程の月光が入ってきて目を細める。部屋に月光が満ちていく。
月明かりに慣れてきた瞳を開けると、目の前に広がる海に思わず息が漏れてしまう。
海のすぐ近くに立つこのマンションは見晴らしがすごくいい。
今日は、満月だったんだな……。
夜空に浮かぶまん丸を見て視線を海面に移す。月明かりがきらきらと反射する海面を見ながら心を落ち着かせようとする。
小説を一本書き上げた所だから、達成感や高揚感で眠れないのかな。
そんなことを思いながら窓から少し離れて腰を落とし、なんとなく膝を抱えてみる。
いつもと変わらないはずの部屋を見渡してみと、月明かりが満ち静かな部屋は、いつもの生活感が身を潜め、ロマンチックな空間に感じる。だけど、一人だとそれも寂しく思えた。
ガチャっと音を立てて開いた扉に身体がビクリと震えてしまう。振り向けば扉の前に彼が立っていた。
近づいてきた彼は私のすぐ横に座る。
「どうしたの?眠れない?」
今の雰囲気を壊さないようになのか、彼は小声で優しく言葉を吐いた。
私も無駄な音は立てたくなくて、小さく頷くだけに留める。
二人で並んでしばらく海を見つめていた。
触れあった腕の温度が、互いの息遣いが、いつもよりも敏感に感じられた。
もっと触れあいたい……。そんなことを思うも口を開くことがなんとなくできなかった。
「そういえばさ、前にも満月の日に海を見ていたことがあったよね。その時は海岸だったけど」
彼のその言葉に記憶をさかのぼる。
「I love youを君ならなんて訳すのって聞いたら、なんて答えたか覚えてる?」
彼を起こさねように細心の注意をはらいながら。
私は部屋が真っ暗じゃないと寝つきが悪い。だから寝室に余分な光はない。手探りで部屋を進み、リビングに続く扉を開けた。
リビングにも余計な明かりはつけていない。閉めたカーテンの隙間から月明かりが漏れていた。そのカーテンに私は手をかける。
暗闇に慣れた瞳に眩しい程の月光が入ってきて目を細める。部屋に月光が満ちていく。
月明かりに慣れてきた瞳を開けると、目の前に広がる海に思わず息が漏れてしまう。
海のすぐ近くに立つこのマンションは見晴らしがすごくいい。
今日は、満月だったんだな……。
夜空に浮かぶまん丸を見て視線を海面に移す。月明かりがきらきらと反射する海面を見ながら心を落ち着かせようとする。
小説を一本書き上げた所だから、達成感や高揚感で眠れないのかな。
そんなことを思いながら窓から少し離れて腰を落とし、なんとなく膝を抱えてみる。
いつもと変わらないはずの部屋を見渡してみと、月明かりが満ち静かな部屋は、いつもの生活感が身を潜め、ロマンチックな空間に感じる。だけど、一人だとそれも寂しく思えた。
ガチャっと音を立てて開いた扉に身体がビクリと震えてしまう。振り向けば扉の前に彼が立っていた。
近づいてきた彼は私のすぐ横に座る。
「どうしたの?眠れない?」
今の雰囲気を壊さないようになのか、彼は小声で優しく言葉を吐いた。
私も無駄な音は立てたくなくて、小さく頷くだけに留める。
二人で並んでしばらく海を見つめていた。
触れあった腕の温度が、互いの息遣いが、いつもよりも敏感に感じられた。
もっと触れあいたい……。そんなことを思うも口を開くことがなんとなくできなかった。
「そういえばさ、前にも満月の日に海を見ていたことがあったよね。その時は海岸だったけど」
彼のその言葉に記憶をさかのぼる。
「I love youを君ならなんて訳すのって聞いたら、なんて答えたか覚えてる?」