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濡れて堕ちて……
第8章 甘美
浩一との出会いは
友達からの紹介だった。
当時の私は21歳。
彼氏も好きな人もいない
女性にしては乾いた生活を送ってた。
そんな私を見かねて紹介してくれたのだ。
年下なんて子供だ、と突っぱねてた私も
浩一とデートを繰り返してくうち
心が安らぎ、安堵を覚え
いつしか、どこに行くにも何をするにも
浩一と一緒になった。
付き合おうなんて台詞もなかったし
甘い口説き文句も言ってくれなかった。
あの頃から浩一はプライドばっかり高くて
生意気で、その癖甘えん坊で。
何度泣かされたかわかんないよ。
でも
そんなどうしようもない男だったけど
でも、私は───────────
「ん…っ?」
強烈な喉の乾き、体中の痛みで私は目を覚ました。
そこは
昨日、徹に連れてこられたあの不気味な部屋。
首と腕に巻き付いていた鎖は外されていたが、足にはがっちりと鎖が巻き付いている。
腕と首に残る鎖の痕。
暴れすぎて皮膚に鎖が食い込んだんだろう、真っ赤な痕が残ってる。
夢じゃ、ない…。
その傷跡と体の痛みと喉の乾き、夢じゃなかったという証。
徹が着せてくれたのか、私はワンピースのような下着を1枚羽織っている。
…こんなえっちな服、どこで買ったんだ?
部屋を見渡すが窓すらない。
今が朝なのか夜なのかもわからない。
完全な密室に監禁されてしまっている。
圧迫感のあるこの部屋は息がつまりそう。