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濡れて堕ちて……
第2章 慟哭
ズキッ…

「痛…」

鈍い痛みが下腹部を襲った。


今朝のあの痛みと同じ、刺し込むような痛みだ。

「痛たた…嘘でしょ…」

思わず下腹部を抑え込んだ。


薬飲んで仮眠も取ったのに、何でこんな道のど真ん中で痛み出すの?

近くに公園かベンチでもあれば座って休憩出来るのに…、と周りを見渡したが

道路に面した道、コンビニと民家はあるが休憩出来そうな施設はない。

かろうじて喫茶店はあるが、食べたりする気分じゃないし
飲み食いしないのに入店するのも気が引けるものだ。



ズキッ、ズキッ

「いっ…」


立ってられない程にまで痛み出した下腹部。
思わずヘたれ込んでしまった。


この時間帯に走ってる車なんて仕事でどこかへ向かってる人達だ。

止まってくれる訳ないし、逆に迷惑をかけてしまう。




今日は厄日だ。
 
朝から浩一とは嫌な雰囲気だし 

胃はズキズキ痛むし

ヘたれ込んだ拍子に荷物は地面に散乱するし…

  


ダメ… 
痛い…




意識を手放しかけたその時だ。
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