この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
濡れて堕ちて……
第11章 泡沫
私に、抵抗する力なんて残ってないと油断してたのか
火事場のくそ力なのか
私はありったけの力で徹を押し退けたのだ。
もちろん、ただ押し退けただけじゃ男の力に勝てる訳がない。
濡れたタイルの上だから出来た事だ、徹は後方へ転倒し
さっき聞こえた鈍い音はドアに頭をぶつけた音。
滴る水滴を拭い徹を見ると
「んっ、ぃっつー……」
後頭部を抑えうずくまっている。
咄嗟に思った。
今しかない、と。
出血はしてないみたいだし、命に関わるような怪我でもない。
勢いよく後頭部をぶつけて軽い脳震盪を起こしてるだけだ。
逃げるなら今しかない!
徹のわきを抜け浴室から逃げ出した。
水攻めにされて呼吸もままならなかったせいか、私まで軽い呼吸困難状態だ。
脳に酸素が行き渡ってなかったせいかフラフラする。
逃げても行くとこなんかないけど
ここにいたらいつか殺されるかも知れない。
浩一に何をするかわからない。
私のあの動画をバラまかれるかも知れない。
でも、ここにこのまま監禁され続けるぐらいなら……!
廊下に散乱した衣類を身に纏い玄関に走り、適当なスリッパを履きそのまま表に飛び出した。
びしょ濡れのまま、携帯も財布も何もない。
でもあの状況で、徹の部屋に鞄を取りに行く余裕なんてない。
私の鞄が隠してある徹の寝室は玄関とは反対側。
鞄を取りに戻り徹に捕まったら何をするかわからない。
一刻も早く徹から逃げる必要がある。
火事場のくそ力なのか
私はありったけの力で徹を押し退けたのだ。
もちろん、ただ押し退けただけじゃ男の力に勝てる訳がない。
濡れたタイルの上だから出来た事だ、徹は後方へ転倒し
さっき聞こえた鈍い音はドアに頭をぶつけた音。
滴る水滴を拭い徹を見ると
「んっ、ぃっつー……」
後頭部を抑えうずくまっている。
咄嗟に思った。
今しかない、と。
出血はしてないみたいだし、命に関わるような怪我でもない。
勢いよく後頭部をぶつけて軽い脳震盪を起こしてるだけだ。
逃げるなら今しかない!
徹のわきを抜け浴室から逃げ出した。
水攻めにされて呼吸もままならなかったせいか、私まで軽い呼吸困難状態だ。
脳に酸素が行き渡ってなかったせいかフラフラする。
逃げても行くとこなんかないけど
ここにいたらいつか殺されるかも知れない。
浩一に何をするかわからない。
私のあの動画をバラまかれるかも知れない。
でも、ここにこのまま監禁され続けるぐらいなら……!
廊下に散乱した衣類を身に纏い玄関に走り、適当なスリッパを履きそのまま表に飛び出した。
びしょ濡れのまま、携帯も財布も何もない。
でもあの状況で、徹の部屋に鞄を取りに行く余裕なんてない。
私の鞄が隠してある徹の寝室は玄関とは反対側。
鞄を取りに戻り徹に捕まったら何をするかわからない。
一刻も早く徹から逃げる必要がある。