この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
濡れて堕ちて……
第12章 審判
「あ、もしかしてこっちは雨だったんですか?」
え?こっちは雨って?
何とか話を合わせなきゃ…
「あの…」
「今日の夜から明日にかけて雨だって今朝の予報で言ってましたよ。
私、さっきまで隣町まで走ってたんですけど…、隣町はもうどしゃ降りで。
こっちももう降った後ですか?」
あ、この運転手さん、さっきまで隣町まで他のお客さんを送ったとこだったんだ。
通り雨が来たって思ってるみたいだし。
「そ、そうなんです。ほんの一瞬だったんで地面ももう乾いちゃってますけど…」
「あぁ、やっぱり!だからお姉さんびしょ濡れなんですね。●●町って言えばここから遠いですもんね」
「えぇ。こんなびしょ濡れじゃ電車に乗るのも恥ずかしくて…」
よかった、何とか誤魔化せたみたいだ。
バックミラーから運転手さんの目元や表情が見えた。
何とか不審者じゃないとわかってもらえたみたいで安心した顔つきになっていた。
40代ぐらいの優しそうな運転手さん。
怖がらせちゃって悪かったなぁ。
「あの、私ハンドバッグを無くしたみたいなので料金は自宅に着いてからでもいいですか?」
「あ、えぇ。わかりました。大変でしたねー、交番には届けられましたか?」
女性が手ぶらでタクシーなんて、さすがに怪しまれるから咄嗟に嘘をついた。
でも、これで少しは不審者を回避出来た。
怪しまれて変に先入観を持たれないよう自宅に着くまでは普通に見えるように嘘を突き通さなきゃ。
運転手さんと談笑してるうちに徹のマンションは徐々に遠ざかっていく。
遠ざかるに連れて安心感と解放感が胸に広がって行く。
もうすぐ、もうすぐ浩一の元へ帰れる。
浩一に会える。
不倫がバレて嫌われた、なんて
今の私の中にはそんな考えすらなかった。
ただ、浩一の元へ帰れる幸福感でいっぱいだった。
え?こっちは雨って?
何とか話を合わせなきゃ…
「あの…」
「今日の夜から明日にかけて雨だって今朝の予報で言ってましたよ。
私、さっきまで隣町まで走ってたんですけど…、隣町はもうどしゃ降りで。
こっちももう降った後ですか?」
あ、この運転手さん、さっきまで隣町まで他のお客さんを送ったとこだったんだ。
通り雨が来たって思ってるみたいだし。
「そ、そうなんです。ほんの一瞬だったんで地面ももう乾いちゃってますけど…」
「あぁ、やっぱり!だからお姉さんびしょ濡れなんですね。●●町って言えばここから遠いですもんね」
「えぇ。こんなびしょ濡れじゃ電車に乗るのも恥ずかしくて…」
よかった、何とか誤魔化せたみたいだ。
バックミラーから運転手さんの目元や表情が見えた。
何とか不審者じゃないとわかってもらえたみたいで安心した顔つきになっていた。
40代ぐらいの優しそうな運転手さん。
怖がらせちゃって悪かったなぁ。
「あの、私ハンドバッグを無くしたみたいなので料金は自宅に着いてからでもいいですか?」
「あ、えぇ。わかりました。大変でしたねー、交番には届けられましたか?」
女性が手ぶらでタクシーなんて、さすがに怪しまれるから咄嗟に嘘をついた。
でも、これで少しは不審者を回避出来た。
怪しまれて変に先入観を持たれないよう自宅に着くまでは普通に見えるように嘘を突き通さなきゃ。
運転手さんと談笑してるうちに徹のマンションは徐々に遠ざかっていく。
遠ざかるに連れて安心感と解放感が胸に広がって行く。
もうすぐ、もうすぐ浩一の元へ帰れる。
浩一に会える。
不倫がバレて嫌われた、なんて
今の私の中にはそんな考えすらなかった。
ただ、浩一の元へ帰れる幸福感でいっぱいだった。