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濡れて堕ちて……
第13章 本能
「俺は浩一さんと違って早漏ですから大丈夫でしょ?」

「おいおい、俺だってそんなに長くは保たねぇって」



どちらが早くてどちらが遅いか何て知るわけない。

2人はこの状況を楽しんでるんだ。



不倫がバレたことによって、浩一の私に対する愛情は既になくなっている。

今は、目覚めた本能をもて余しているただの雄。

徹に…支配されてしまっている。



「こんなふうに乱れる陽子なんて初めて見た。随分な乱れようだな、このド淫乱!!」



ズッ



「ああああぁぁぁぁっ!!」


浩一の指の一突きで、また…。

と、同時に

生暖かい水分が迸る感覚が…


「くすくす、あーあ…」

浩一の見下してるかのような苦笑い。


そして、床に何かが零れるようなボトボトという音が聞こえた。


「あーぁ、潮まで吹いちゃったんですかぁ?」


音から察するに、大量に零れたみたいだけど

意識が半分吹っ飛んでいる私にはそれが何なのか理解が出来なかった。




ここにいるのは、誰…?

浩一じゃない。

浩一なんかじゃない…。




「さすがにキッチンはもう使えねぇなぁ。びちゃびちゃだし」
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