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濡れて堕ちて……
第13章 本能
そうだったんだ、心当たりならたくさんある。
「これが、陽子さんの本能ですよ」
嗚呼
私が浩一と離婚しなかったのは
どんなに酷く扱われても嫌いになれなかったのは
「でも、陽子さんは最高の女ですよ…」
優しい徹に手を差し出されて断ったのは
あの監禁部屋から飛び降りてでも逃げなかったのは
まるで、何かから解放されたような気分。
まるで、麻薬のように頭の芯が蕩けて
気持ちいい解放感に包まれて行く。
全ての疑問が1つにまとまった時、私の中で何かが弾けた。