この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ホンモノはいらない
第3章 始まりの雨
傘を干す理由も、そのやり方も知らない。
知っているのは、アルに任せておけば間違いないと言うことだけ。それだけで充分だった。


出会った頃は、真雪の方がずっと常識人で優等生だった。
けれどそれは学校と言う狭い世界での話。世間に出れば、真雪の知っていることなど大して役に立たない。


全く、役に立たない。


「跨ぐぞ」

ベッドが沈んで、窓際に移動したアルが冷たい空気と一緒に布団に入ってくる。
真雪は小さく身震いすると、アルに体をすり寄せた。

「暖かいな…」

寒さを凌ぐように体に巻きついてきた腕が妖しく蠢いて、手がパジャマの中に滑り込んでくる。

「…つめた」

不快そうに唸りながらも、それを受け入れた。

節くればった手が優しく背中を撫でている。その冷たい感触と頼りない抱擁に、ゾクゾクと全身が粟立つ。
真雪は穏やかな歓びを味わうようにそっと目を瞑った。
/58ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ