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ホンモノはいらない
第3章 始まりの雨
徐々に熱を帯びていくアルの手の温もりが、体の奥深くへと浸透していく。
それが、たまらなく気持ちいい。
もっと体が密着するように、真雪は自分の足をアルの細い足に絡めた。指先に当たる冷たい感触に自然と口許が綻ぶ。
「冷やすよ」
人の背中で暖をとっておきながら、アルは足先が真雪に当たらないように慎重に避ける。
「これくらい、平気だよ?」
そう言って太股を撫でたけれど、アルは足を元の位置に戻そうとはしない。
真雪はくすりと笑い、太股を撫でていた手を上へ滑らせた。
冷えたアルの体を温めるのが好きだけれど、無理強いをするつもりはなかった。
結局のところ、アルの矛盾した気遣いも同じくらい好きだから。
アルはいつでも優しい。
真雪が望んでいないことに対しても。
その優しさが嬉しくて、時々怖くなる。
少し離れてしまったアルに寂しさと不安を覚えてしまった時は、特に……
真雪はこっそりと息を吐き出して、アルに額をくっつけた。
それが、たまらなく気持ちいい。
もっと体が密着するように、真雪は自分の足をアルの細い足に絡めた。指先に当たる冷たい感触に自然と口許が綻ぶ。
「冷やすよ」
人の背中で暖をとっておきながら、アルは足先が真雪に当たらないように慎重に避ける。
「これくらい、平気だよ?」
そう言って太股を撫でたけれど、アルは足を元の位置に戻そうとはしない。
真雪はくすりと笑い、太股を撫でていた手を上へ滑らせた。
冷えたアルの体を温めるのが好きだけれど、無理強いをするつもりはなかった。
結局のところ、アルの矛盾した気遣いも同じくらい好きだから。
アルはいつでも優しい。
真雪が望んでいないことに対しても。
その優しさが嬉しくて、時々怖くなる。
少し離れてしまったアルに寂しさと不安を覚えてしまった時は、特に……
真雪はこっそりと息を吐き出して、アルに額をくっつけた。