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ホンモノはいらない
第4章 深夜のレッスン
慎一郎がホルモンをさっと茹でて冷水で洗う間に、真雪がキャベツやニラなどを切っていく。
……そのはずだったのに、何気なく真雪の手元を見た慎一郎はひっと小さく息を吸い込んで、まだ茹でていないホルモンを床に落としそうになった。
「し、椎名さんっ」
真雪が高々と振り上げた包丁を慌てて没収し、まな板の上に戻す。
「何をする気ですかっ」
包丁を取り上げられた真雪は途方に暮れて、キャベツと慎一郎を交互に眺めた。
「キャベツ、切るんですよね?」
「……はい。そう言えば、どうやって切るのか聞いてましたね」
ばつが悪そうに顔を赤らめて俯く真雪に、慎一郎はこっそりと溜め息をつく。
無表情の黒木さんと言い、キラキラの星野さんと言い……、僕の周りにはクセのある女性しか集まらないようになっているのだろうか。
「包丁の持ち方が間違っています。こう……」
自分で少しキャベツを切って、コツも細かく教える。真雪は慎一郎の手元を凝視して、何度も真剣に頷いた。
……そのはずだったのに、何気なく真雪の手元を見た慎一郎はひっと小さく息を吸い込んで、まだ茹でていないホルモンを床に落としそうになった。
「し、椎名さんっ」
真雪が高々と振り上げた包丁を慌てて没収し、まな板の上に戻す。
「何をする気ですかっ」
包丁を取り上げられた真雪は途方に暮れて、キャベツと慎一郎を交互に眺めた。
「キャベツ、切るんですよね?」
「……はい。そう言えば、どうやって切るのか聞いてましたね」
ばつが悪そうに顔を赤らめて俯く真雪に、慎一郎はこっそりと溜め息をつく。
無表情の黒木さんと言い、キラキラの星野さんと言い……、僕の周りにはクセのある女性しか集まらないようになっているのだろうか。
「包丁の持ち方が間違っています。こう……」
自分で少しキャベツを切って、コツも細かく教える。真雪は慎一郎の手元を凝視して、何度も真剣に頷いた。