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ホンモノはいらない
第4章 深夜のレッスン
アルがごっそりと奪っていき、残った麺を慎一郎と真雪が分かち合う。
「おぉ、あれだ。カルボナーラ」
にやりと笑ったアルが、また麺を口に運ぶ。
それを嬉しそうに眺めてから真雪も食べて、少し驚いたように頷いた。
「本当だ。すごい……」
「うめぇ。これからも教えてもらえよ」
大役を終えたような安堵感に包まれていた慎一郎は、アルの言葉にぎくりとする。
「…そうしよっかな。川端さん、お願いしてもいいですか?」
「えっと……」
断らないと。
それが正しい選択だと分かっていても、断れるはずがない。
「僕で良ければ、」
ほら…、やっぱり。
心の中で自分に突っ込む。
食事が終わると、慎一郎は逃げるようにアパートを後にした。
これからも真雪に関われるのは嬉しいが、単純に喜んで良いものなのか判断に迷う。
恋人はいないと真雪は言っていたが、アルがいるのは紛れもない事実。慎一郎には、仲の良い二人の間に割って入るなど出来そうになかった。
「おぉ、あれだ。カルボナーラ」
にやりと笑ったアルが、また麺を口に運ぶ。
それを嬉しそうに眺めてから真雪も食べて、少し驚いたように頷いた。
「本当だ。すごい……」
「うめぇ。これからも教えてもらえよ」
大役を終えたような安堵感に包まれていた慎一郎は、アルの言葉にぎくりとする。
「…そうしよっかな。川端さん、お願いしてもいいですか?」
「えっと……」
断らないと。
それが正しい選択だと分かっていても、断れるはずがない。
「僕で良ければ、」
ほら…、やっぱり。
心の中で自分に突っ込む。
食事が終わると、慎一郎は逃げるようにアパートを後にした。
これからも真雪に関われるのは嬉しいが、単純に喜んで良いものなのか判断に迷う。
恋人はいないと真雪は言っていたが、アルがいるのは紛れもない事実。慎一郎には、仲の良い二人の間に割って入るなど出来そうになかった。