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ホンモノはいらない
第4章 深夜のレッスン
使った食器を洗う真雪をアルが後ろからそっと抱きしめる。
肩に回された腕に驚いて、けれど真雪は小さく口許を綻ばせた。
「どうしたの?」
少しだけアルに体を預け、手についた泡を洗い流す。顔だけ振り返る真雪にアルが唇を重ね、離れてすぐにまた重なった。
「いきなり川端さん連れてきて、ごめんね?」
「……お前にしたら珍しいよな」
そう言いながら、真雪の肩に顔を埋める。
「そうかな?」
「つーか、初めてだよ」
抱擁を解いた手が下へと移動して、真雪の濡れた両手を掴む。
のろのろと顔を上げると、アルは真雪の肩越しにその両手をじっと見つめた。
「教えてもらえって言ったけどさ、包丁気をつけろよ。あと、火の扱いも。それから熱いものは素手で触んな。それから……」
真雪の手を裏返したり表に返したりしながら、傷がないか細かく調べていく。
「アル、お父さんみたい」
「怪我するなよ」
「うん、気をつける」
頷いてすぐに真雪はおかしそうに微笑んだ。
肩に回された腕に驚いて、けれど真雪は小さく口許を綻ばせた。
「どうしたの?」
少しだけアルに体を預け、手についた泡を洗い流す。顔だけ振り返る真雪にアルが唇を重ね、離れてすぐにまた重なった。
「いきなり川端さん連れてきて、ごめんね?」
「……お前にしたら珍しいよな」
そう言いながら、真雪の肩に顔を埋める。
「そうかな?」
「つーか、初めてだよ」
抱擁を解いた手が下へと移動して、真雪の濡れた両手を掴む。
のろのろと顔を上げると、アルは真雪の肩越しにその両手をじっと見つめた。
「教えてもらえって言ったけどさ、包丁気をつけろよ。あと、火の扱いも。それから熱いものは素手で触んな。それから……」
真雪の手を裏返したり表に返したりしながら、傷がないか細かく調べていく。
「アル、お父さんみたい」
「怪我するなよ」
「うん、気をつける」
頷いてすぐに真雪はおかしそうに微笑んだ。