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ホンモノはいらない
第4章 深夜のレッスン
「はぁ…はぁ…っ、こ、くはく……」
アルがゆっくりと出ていく感覚に喉を震わせながら、真雪は掠れた声で囁いた。
「…えっ?」
取り外したゴムを結んでティッシュに包みながら、アルが振り返る。
「告白…して。美貴さんに、」
「婚約に水を差すようなこと出来るかよ」
「婚約したから、言うの。フってもらわないと、いつまでも美貴さんを引きずって次の恋に進めないよ?」
アルはじっと真雪を見つめ、小さく溜め息を溢した。
「こんなに苦しい思いするなら、次なんていらねえよ」
「……ずっと引きずるのは、もっと苦しいよ」
一瞬動きを止めたアルが、すぐに何事もなかったように屈んで床に投げ捨てられていたスエットを拾う。真雪の傍まで戻ってくると、やや乱暴にそのスエットを真雪の頭に被せた。
「もう、寝ろ。明日も仕事なんだろ」
真雪がスエットから頭を出そうともがいていると、アルは片手間に手伝ってから布団に潜る。
アルがゆっくりと出ていく感覚に喉を震わせながら、真雪は掠れた声で囁いた。
「…えっ?」
取り外したゴムを結んでティッシュに包みながら、アルが振り返る。
「告白…して。美貴さんに、」
「婚約に水を差すようなこと出来るかよ」
「婚約したから、言うの。フってもらわないと、いつまでも美貴さんを引きずって次の恋に進めないよ?」
アルはじっと真雪を見つめ、小さく溜め息を溢した。
「こんなに苦しい思いするなら、次なんていらねえよ」
「……ずっと引きずるのは、もっと苦しいよ」
一瞬動きを止めたアルが、すぐに何事もなかったように屈んで床に投げ捨てられていたスエットを拾う。真雪の傍まで戻ってくると、やや乱暴にそのスエットを真雪の頭に被せた。
「もう、寝ろ。明日も仕事なんだろ」
真雪がスエットから頭を出そうともがいていると、アルは片手間に手伝ってから布団に潜る。