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ホンモノはいらない
第4章 深夜のレッスン
さっさと寝てしまったアルを見下ろして、真雪も横になる。
「告白して、玉砕して、……思いっきり泣いてよ。今度こそ、ちゃんと受け止めるから」
しっかりと抱きしめるから。
……私がアルを守るから。
感情乏しく生きてきたアルが、初めて想いを寄せた相手が川東美貴だった。だからこそ、その想いに決着をつけて次のステップへ進んで欲しい。
世界は数え切れないくらいのいろんなもので彩られているのだと、アルに知って欲しかった。
自分の知っている全てが世界の全てではないのだと、知って欲しかった。
「いいから、寝ろ」
不機嫌そうに唸ったアルに背中を向けられて、真雪は苦笑しながらその背中にキスをする。
瞼を閉じると、困ったように微笑む慎一郎が脳裏に浮かんだ。
料理を教えてほしい…なんて、なんで言ってしまったのだろう。
……もう会いたくないのに。
会いたいけど、
会いたくない。
忘れてしまいたい。
アルに知られたら「怯えてるのはどっちだよ」と笑われそうなことを想う。
「告白して、玉砕して、……思いっきり泣いてよ。今度こそ、ちゃんと受け止めるから」
しっかりと抱きしめるから。
……私がアルを守るから。
感情乏しく生きてきたアルが、初めて想いを寄せた相手が川東美貴だった。だからこそ、その想いに決着をつけて次のステップへ進んで欲しい。
世界は数え切れないくらいのいろんなもので彩られているのだと、アルに知って欲しかった。
自分の知っている全てが世界の全てではないのだと、知って欲しかった。
「いいから、寝ろ」
不機嫌そうに唸ったアルに背中を向けられて、真雪は苦笑しながらその背中にキスをする。
瞼を閉じると、困ったように微笑む慎一郎が脳裏に浮かんだ。
料理を教えてほしい…なんて、なんで言ってしまったのだろう。
……もう会いたくないのに。
会いたいけど、
会いたくない。
忘れてしまいたい。
アルに知られたら「怯えてるのはどっちだよ」と笑われそうなことを想う。