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ただ犯されたいの
第2章 【娘を斡旋する母親】
信じられないセリフで完全に目が覚めたのです。
寝ている私を見ながらドア付近で誰かと話してます。
敬語だったので年配の人かと。
「ええ、何時でもいらしてください、そろそろ若い子でも味見してみます?良い感じに育ってる子が居ますのでどうかしら……ええ、娘ですけど」
寝ているフリをしながら背筋がゾッとした。
一生懸命理解しようと働く脳も行き場をなくしてる。
母に迷惑だけはかけないように教えられてきた。
その分好きな学校に通わせて貰ってる。
教育費は惜しまないよ、と大学までの費用が入った通帳をこの前貰ったばかりだ。
もしかして、私を逃さない為に?
言いなりにさせる為にしたの?
そういえば去年あたりからピルも服用するよう渡されている。
生理不順だからだと思い込んでいた。
ピルにはもうひとつ、妊娠しにくい作用があると聞いた事がある。
まさか、母は私を売るつもりじゃ…?
「待ってるわ、いつもありがとうございます」
そう言って電話を切り、ベットに腰掛け、寝る私の髪を撫でてきた。
「起きてるでしょ?聞いてたわよね?大事なお客さんなの、もう処女じゃないんだし出来るわよね?」
怖くて目を開けれなかった。
寝たフリする私に呆れている母は最後にこう付け足した。
「あんたの大学費用も全部用意してくださった方なのよ?身体のひとつやふたつどうって事ないでしょ、自分の為にも大人しく股開いてれば良いから、私の顔に泥塗らないでね?逃げたら親子の縁切るから」
冷たく言い放ち部屋を出て行った。
頭がパンクしてどうにかなりそう。
私は堂々と売られていくの?
母の忖度にいつまで付き合わされる?
男に頼って生きていくしか脳のない母に私はいつまで。
逃げるってどうやって?
住むところもお金だって稼いだ事もない。
コツコツと勉強だけは頑張ってやって来ただけ。
いざとなればあのお金を持って逃げれば良いの?
アパートやマンションなんてどうやって借りる?
暫くはマンガ喫茶で居たとしてもすぐ見つかるだろうし補導もされ兼ねない。
他に頼る者も居ない。
母自身も身内の居ない人間だから。
私だけが生き甲斐だと言ってくれたのに。
こんな事する為に育てて貰ったの?
娘である前に私は母の都合の良い駒に過ぎない。