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ただ犯されたいの
第17章 【愛欲と支配の果てに……】
「次回は娘を連れて教室へいらっしゃい」
肩で息をし、横たわる私に片桐様はそう仰られました。
「娘を……ですか?」
「生け花を習わすといい、タメになるぞ?講師代はお前さんの身体で支払ってもらうとするか」
そんな……言い返すにも身体が上手く動けない。
「少し休んでから帰りなさい」と封筒を手渡されました。
タクシー代でしょうか。
30分ほどしてようやく動けれるようになったら、お付き人の方に封筒を突き返し走って屋敷を出ました。
「お待ちください」と声を掛けられたが振り払いました。
こんな事をする為に足を踏み入れたのではありません。
帰ってすぐにシャワーを浴び、泣きながら腟内の精液を掻き出しました。
そうだ、アフターピルを服用しなければ。
診察時間には間に合い処方してもらう。
早く………早くいつもの自分に戻らなければ。
「あれ、お母さん今日美容院行ってきた?」
「え?どうして?」
「何かいつもと感じが違うから、艶っぽい」
「な、何を言ってるの、いつもと変わらないわよ」
「ふーん、お腹すいた〜」
娘に不意をつかれて焦ってしまう。
一年ぶりのセックスで周りに気付かれてしまうほど変わってしまったのかしら。
艶っぽいなんて言われてしまった。
「おい、ビール」
お風呂上がりにトランクスとタンクトップ一枚で椅子に座り晩酌を楽しむ夫のメタボな姿に正直うんざりしています。
冷蔵庫から缶ビールを出して渡すと「おい」って。
「開けてよ」の一言にいつも苛々します。
プルタブを開けてから出してあげないといけないなんて。
「ねぇ、おつまみコレだけ?冷奴に何も乗せないの?ししゃも焼いてよ」
毎日毎日だらしない格好を見せられて、挙句の果てに料理にケチをつける。
おかず以外におつまみメニューまで用意させられる。
スマホを見ていた娘も盛大な溜め息をついて。
「お父さん、自分で動いたら?ご飯用意してくれてるんだからそれ以外は自分でやりなよ、そのうちお母さんに愛想つかれちゃうよ?」
心の中で拍手を送りました。
よくぞ言った!
「えー!お父さん毎日汗水垂らして働いてるんだよ〜?好きなの食べさせてよ〜」と全く聞き入れる気配なし。