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ただ犯されたいの
第17章 【愛欲と支配の果てに……】
結局黙らせる為にししゃもを焼いて出す私は、結婚してから一度も主人に歯向かった事がありません。
喧嘩らしい喧嘩もした覚えもない。
言い返すだけ無駄だと早くに悟りました。
人と争うのは性に合いません。
娘を授かり今日まで一生懸命育ててきました。
ある時期は主人に求められ過ぎて苦痛な時を過ごしました。
前戯などありません。
好きなようにしゃぶらせて、私には胸やお尻を強く揉むだけ。
濡れずにそのまま挿れられて痛い方が勝っている。
気持ち良いと感じた事はありませんでした。
だから、今日の片桐様とお付き人の方とのセックスがびっくりするくらい気持ち良くて頭が混乱しています。
私は、ずっとセックスが嫌いでした。
というより、主人とのセックスが好きになれなかった。
自分でする自慰行為の方が濡れていました。
ですから、ずっと性欲が溜まれば自分でシていたのです。
端ないですが、男性と同じように自慰行為にふけっていたのが30代でした。
何も寂しくはなかった。
寧ろ、年々減っていく主人とのセックスに解放感を感じていました。
忘れようとしていたのに。
女である悦びを再燃させられてしまった。
あの日を思い出しながら自慰行為をしても、日に日に物足りなさは募る一方なのです。
そんな矢先に鳴り響くインターホン。
モニターで確認すると私の身体は硬直してしまいました。
「はい」
「開けて頂けるかな」
「………どうぞ」
震える指先で施錠解除する。
ドアを開けるとハットを被った和モダンな訪問着で立っている片桐様に一瞬、見惚れてしまう。
「そろそろ疼いてくる頃じゃろ?」
わざわざこんな住宅街に足を運んで頂いて、停まっている高級車も物凄く目立っている。
慌てて中に招き入れお茶を出そうとキッチンに立つともう、後ろからお尻を撫でてくるではありませんか。
いつもの癖で着けていたエプロンも剥ぎ取られてしまいました。
「会わん間は一人で触ったか?」
「い、いえ……」
「嘘だろう?この前のセックスが忘れられないんじゃないのかね?」
「あの、今日はどういったご要件ですか!」
向かい合ったのがそもそも間違いだったかも知れません。
固くなったのを布越しに擦り付けてきます。