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ただ犯されたいの
第7章 【叔父さんたちの玩具になりたいの】







16歳の夏、父が死んだ。




あまりにも突然過ぎて実感すらない。
静かに見送るお葬式。
そこで集まった親戚たち。
小さい時はよく集まっていたみたいだが小学校に上がってからは段々と疎遠になっていたようだ。



「え、まゆみちゃんかい?」



高校生になった私を見て、目を丸くするおじさん。
父の弟さんらしく、接点など到底思い出せないくらい会っていなかったけれど、やはり父の面影があり似ている。




「いや〜大きくなったねぇ、べっぴんさんだ、兄貴も嬉しかっただろうな、娘がこんな可愛らしくて」




そう言って母にも挨拶していた。
心にポッカリ開いた穴は塞ぐのに時間がかかりそうです。
私は父が大好きでした。
反抗期を迎える前に逝ってしまった。
ある日突然、心筋梗塞で。
遺体も綺麗なまま。




親戚一同の会食でも私は一言も話さないでいた。
時折誰かが気を遣ってくれたけど愛想笑いさえ出来ない状況で、言葉を発すると泣いてしまいそうでグッと堪えていた。
それを見兼ねた母は私を二階の部屋に戻るよう配慮してくれました。




ベットに突っ伏して父の事を思い出していた。
暫くしてノックしてきたのはさっきの叔父さんで。




「お母さんに頼んでちょっとまゆみちゃんとお話したいなと思ってあがらせてもらったよ」



暗闇で見ると余計に父そっくりでした。
声すら似ています。
兄弟だから当たり前でしょうが、今の私には父と居るようで何の不信感もなく受け入れてしまいました。




部屋の中は狭いので「どうぞ」とベットの上に腰掛けてもらう。
少し離れて私も座りました。




穏やかな声で、優しいボリュームで、父の思い出を語ってくれます。
時々笑いながら、時々堪えきれず涙を流す。




「まゆみちゃん、無理せず泣いて良いんだよ?我慢は禁物だ、泣くだけ泣いて…また前を向いたら良い、兄貴もそれを誰よりも望んで応援しているさ」




「叔父さん、お願いがあるの」




どうしてこんな事を言ってしまったのか自分でもよくわかりません。
私の中の父親像が爆発してしまったのかも。




「私の名前を呼んで……抱き締めてくれませんか?」




間接照明だけが私たちを照らしています。
もう一度、父に抱き締めてもらいたい……その一心だったと思います。










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