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第1章 プロローグ

その時、柚の中の愛護精神が高鳴った。そう、柚はダメンズウォーカーなのである。
そのせいで何度も苦労している、次付き合う人はその心を燻ぶらないしっかりした人！と思っていたので、思わず自分の愛護精神を燻ぶる人間が目の前にいる状況に複雑な心境を持つ。

「そっかそっか、じゃあ良かったよ！流石に6歳も下の子に手を出すのは我ながらやばいなって」
「…だめですか？」

自分の言葉への返答に少し胸が高鳴る柚と、少し恥ずかしそうにしている涼。

「だめ…ではない、けどね、君は20歳でしょ？私、26歳なのよ」
「そんなに問題ではないと思います！」

少し拗ねている涼に、柚はまた心が揺れる。
どうしよう…と少し心が揺れていると、いいタイミングで店員さんが料理を運んできた。
少し気まずくなりながらもご飯を食べて、他愛もない雑談をして店を後にする。
これでもう会うことないだろうと柚は思っていた。