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揺れる心
第9章 星空の下、愛を確かめる
「はぁぁぁ〜。
なんか生き返った感じ」

すっかり身体を弛緩させて、
後ろに座ってる陸也さんに身体を預けてしまう。


「そうだ。
これ、持って来てたけど使わなかったから」と、
発泡するタイプの入浴剤の封を切ってちゃぽんと入れる。


「風呂もないような処に1ヶ月もよく過ごせたね?
日本に帰ったら、暫く会えなくなるけど…」

「えっ?
どうして?」

「えっ?
だって、まさか、もうあんな処には行かないでしょう?」

「やだ。
私、陸也さんと一緒に居ることに決めたから、
陸也さんが行く処にはついていくのよ?」

と、顔を陸也さんに向けて言う。

陸也さんは、微妙な顔をしている。


「ダメ…なの?」

「ダメじゃないけど…。
本当に良いの?
よく考えて?
質素で何にもない生活だよ。
贅沢も出来ない。
忙しくて賑やかな処で、
外国人に囲まれての生活だよ。
しかも…」

「なんか、毎日キャンプしてるみたいで楽しいし、
星も空も空気も綺麗だし、
誰かの役に立ってるのも嬉しいし、
陸也さんがいつもニコニコして包んでくれるから安心だし…
他に何が要るの?」

「セックスもしてあげれないよ?」

「その代わり、たくさんキスして?
抱き締めて?」

と言って、腕を伸ばして陸也さんにキスをした。


「キスだけでも気持ち良いし…
落ち着くし…
幸せよ?」

「ご両親…お父さんとか、許さないんじゃない?」

「そんなこと、ないと思う。
私の気持ちを尊重してくれるもの。
お父さまやお祖父様はどうかしら?
びっくりしちゃうかな?
…海斗さんは、どうかしら?」


「僕がしっかりと真理子さんを守れるなら、
海斗は認めてくれると思うよ」


「なんか、クラクラしてきちゃった」

「わっ。出ようか?」
と言ってそっと立ち上がらせてくれる。

バスローブを着て部屋のソファに座ると、
ミネラルウォーターを持って来てくれて、
ドライヤーで髪を乾かしてくれる。


「お姫様みたいね?」

「真理子さんは、みんなの大切なお姫様だよ」

「陸也さんには?」

「誰よりも大切な人。
愛してるよ」と言って、額にキスをしてくれる。


「いつも夜は一緒に寝てね?
それと、お風呂がある時は一緒に入りたい。
おじいちゃんとおばあちゃんになってもずっとよ?
約束して?」

陸也さんはそっと頷いた。


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