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揺れる心
第12章 もう、揺れない
結婚したいという話を実家にした時に父が見せてくれた雑誌に掲載された論文は、
アメリカの医学会の権威のある賞を取った。
日本人としても初ということで、
かなり話題になり、
表彰式に呼ばれることになった。
空くんはまだ小さくて飛行機は可哀想だからとなって、
実家の母が見てくれることになり、
私が同行して春浅いニューヨークに2人で出掛けた。
陸也さんが喜んでくれるので、
滞在中は殆ど着物で過ごした。
英語も不自由ないし、
医学用語も理解出来るので、
私も楽しく過ごすことが出来た。
私のことを、会う人ごとに、
「最愛の妻で、最高のパートナー」と紹介するので、
私も外科医なのかと勘違いされては、
血を見ると倒れるのでドクターになれず、
落第しましたと毎回説明しては笑われてしまった。
久し振りに空くんの授乳で起こされることのない2人きりの甘い夜も過ごせた。
2人でのんびりバスタブに浸かって、
ベッドで愛し合ってそのまま眠り、
また目が覚めては絡み合うようにキスをして愛し合った。
お腹の傷がまだかなり痛かったので、
物凄く気を遣ってくれてるのも判る。
「せっかくニューヨークに来たから」とティファニーに寄って、
とても美しい空色のブルートパーズの指輪をプレゼントして貰った。
空のようでもあり、
海のようでもあるその色は、
いつまでも眺めていられるような不思議な輝きだった。
「ダイヤモンドじゃなくて良いの?
でも…何か欲しいって言うの、
初めてだよね?」と笑う。
次の論文は、
教授と陸也さんの共同執筆になるそうで、
私も翻訳のお手伝いをすることになっていた。
「またお会いしましょう」と、
周りの偉い先生達から言われて、
陸也さんと私はそっと見つめ合ってから頷いた。
短い滞在を終えて日本に帰ると、
空くんは少し大きくなっているような気がした。
アメリカの医学会の権威のある賞を取った。
日本人としても初ということで、
かなり話題になり、
表彰式に呼ばれることになった。
空くんはまだ小さくて飛行機は可哀想だからとなって、
実家の母が見てくれることになり、
私が同行して春浅いニューヨークに2人で出掛けた。
陸也さんが喜んでくれるので、
滞在中は殆ど着物で過ごした。
英語も不自由ないし、
医学用語も理解出来るので、
私も楽しく過ごすことが出来た。
私のことを、会う人ごとに、
「最愛の妻で、最高のパートナー」と紹介するので、
私も外科医なのかと勘違いされては、
血を見ると倒れるのでドクターになれず、
落第しましたと毎回説明しては笑われてしまった。
久し振りに空くんの授乳で起こされることのない2人きりの甘い夜も過ごせた。
2人でのんびりバスタブに浸かって、
ベッドで愛し合ってそのまま眠り、
また目が覚めては絡み合うようにキスをして愛し合った。
お腹の傷がまだかなり痛かったので、
物凄く気を遣ってくれてるのも判る。
「せっかくニューヨークに来たから」とティファニーに寄って、
とても美しい空色のブルートパーズの指輪をプレゼントして貰った。
空のようでもあり、
海のようでもあるその色は、
いつまでも眺めていられるような不思議な輝きだった。
「ダイヤモンドじゃなくて良いの?
でも…何か欲しいって言うの、
初めてだよね?」と笑う。
次の論文は、
教授と陸也さんの共同執筆になるそうで、
私も翻訳のお手伝いをすることになっていた。
「またお会いしましょう」と、
周りの偉い先生達から言われて、
陸也さんと私はそっと見つめ合ってから頷いた。
短い滞在を終えて日本に帰ると、
空くんは少し大きくなっているような気がした。