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爛れる月面
第3章 広がる沙漠

それ以上は告げられず、貪欲に徹を口内へと含んでいった。
亀頭を丸呑みした直後から、耳の下が甘痛く緊縮し、噎せる香気が鼻腔の隅々まで充満した。髪を揺らして頭を前後に揺する。彼の凹凸が、舌も頬も唇も擦る。せめてあと一回、心地よい摩擦を味わいたかったが、渦音が伝わってくるほどのうねりが根元からせり上がってきて、
「徹っ……」
胸を高鳴らせて小孔の前に顔を差し出した。粘液が前髪をかすめて額を強く叩く。次は口元にも飛んできて、口内で感じていたのよりももっと濃厚な匂いが鼻孔から入り込んできた。立て続けに、眉の上も、瞼も、何も知らない恋人の、しかし憤責しているかのように煮沸した牡の粘液で顔を汚されていく。脈発は長く続き、滴が打ち付けられるたびに、閉じ合わせている股奥で分泌が起こっていた。紅美子は爆発が収まっても身じろがず、鼻梁の脇を通り、顎から首すじへと爛れ落としていく粘流を堪能していた。
「ごめ……、ごっ、ごめ……クミちゃん……ごめん」
徹の消え入りそうな声を聞き、小鼻を膨らまして表情を崩し、ふうっ、と強く息を吐いた。呼吸すら、忘れていたらしかった。
「びっ……、っくり。こんなに出るんだ」
面を俯けて瞼の粘液を拭う。目を開けようとしたが睫毛から中へと入って来そうで、目元に溜まっていた滴も爪で掬った。鼻先から糸引いた露玉が振り子となって上唇に貼りつく。入口にいるためにティッシュはなく、まだ目を開けられないまま、両手を左右に伸ばしてひらひらとしてみせると、徹が転がっていたバッグを取ってくれた。手探りで見つかったハンカチで、肌にまとわりつくを粘液を吸わせていく。
亀頭を丸呑みした直後から、耳の下が甘痛く緊縮し、噎せる香気が鼻腔の隅々まで充満した。髪を揺らして頭を前後に揺する。彼の凹凸が、舌も頬も唇も擦る。せめてあと一回、心地よい摩擦を味わいたかったが、渦音が伝わってくるほどのうねりが根元からせり上がってきて、
「徹っ……」
胸を高鳴らせて小孔の前に顔を差し出した。粘液が前髪をかすめて額を強く叩く。次は口元にも飛んできて、口内で感じていたのよりももっと濃厚な匂いが鼻孔から入り込んできた。立て続けに、眉の上も、瞼も、何も知らない恋人の、しかし憤責しているかのように煮沸した牡の粘液で顔を汚されていく。脈発は長く続き、滴が打ち付けられるたびに、閉じ合わせている股奥で分泌が起こっていた。紅美子は爆発が収まっても身じろがず、鼻梁の脇を通り、顎から首すじへと爛れ落としていく粘流を堪能していた。
「ごめ……、ごっ、ごめ……クミちゃん……ごめん」
徹の消え入りそうな声を聞き、小鼻を膨らまして表情を崩し、ふうっ、と強く息を吐いた。呼吸すら、忘れていたらしかった。
「びっ……、っくり。こんなに出るんだ」
面を俯けて瞼の粘液を拭う。目を開けようとしたが睫毛から中へと入って来そうで、目元に溜まっていた滴も爪で掬った。鼻先から糸引いた露玉が振り子となって上唇に貼りつく。入口にいるためにティッシュはなく、まだ目を開けられないまま、両手を左右に伸ばしてひらひらとしてみせると、徹が転がっていたバッグを取ってくれた。手探りで見つかったハンカチで、肌にまとわりつくを粘液を吸わせていく。

