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第5章 つきやあらぬ

「可愛いよ、クミちゃん。もっと聞かせて」
「なっ……、何言って……、ウンッ！」
　足の甲も吸われ、ブーツを脱いだばかりの足先にまで及んできそうになると、「ちょっとっ！　変なことはやめて」

　紅美子は脚を引き、徹の手から逃れさせた。

「嫌……、だった？」
「擽ったすぎる。もっとちゃんとして」
「うん……、ごめん」

　気を取り直した徹が、身を擦り寄せて首すじに唇を這わせてくる。

「ん……、こういうほうがいい」
「うん……」
「ね、キス、しないの？」

　しかし徹は紅美子の誘いには乗らず、カーディガンの前を開き、タートルネック上からバストを捏ねてきた。

「ね、徹……っ」

　優美なふくらみを揉みほぐす指がひときわ鋭敏な突起に触れて、後ろ手をついたまま、紅美子は身を弾ねさせた。濡れた唇を恋人に向けようとしても、耳の後ろを吸っていた徹が一緒になって回り込んでいく。しかも掬い上げるようにバストを持ち上げた片手は人差し指を遊ばせて、いましがた反応の違った箇所を確かめるかのように掻き撫でてきた。

「ぴくぴく、震えてるね」
「んっ……、ふ、震えるよ、そりゃ……」
「気持ちいい？」
「……う、うん」

　やむなく認めてやると、徹が真後ろへと居所を変えた。脇の下から両手を前に差し込まれて、まろやかな胸乳を歪めてくる。

「ン……」
「凭れていいよ、クミちゃん」
「……た、体重かけて転んだら、怒るからね」

　身を預けると、徹の両手の感触が胸乳全体を覆った。愛情に満ちた手遣いだが、人差し指だけは、ブラの下で勃ち上がってしまった突起を執拗に弄ってきている。脚を擦り合わせると、奥地が蒸れていた。折も折、徹の片手がそこへと伸びていって、スカートをたくし上げてくる。

「ちょ……」
「脚、開いて」
「や、やだよ、こんなカッコで……」
「開いて」
　耳穴にもキスをされ、「紅美子」
「ううっ……！　ずるいっ」