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私んちは淫乱家族
第16章 来訪者

私はうろたえて、どうしたら良いか分からず、お姉ちゃんに視線を向けました。
ところがお姉ちゃんはすでに、小走りで玄関に向かっています。

お姉ちゃんが、急いで玄関の扉を開くと、二人の男の子が立っていました。

「麗子ちゃん、こんにちは。あ、メグちゃんも、こんにちは」

玄関で挨拶してくれたのは、高校生の翔太くんです。
その横で、おとなしそうにうつむいているのは、弟の、中学生の誠くんです。


彼らは、おじさまの妹の子供ですから、ミレイちゃんにとっては従兄ですが、私たちには血のつながりはありません。

「遅かったじゃないの。早く上がってよ」

咎めるように、お姉ちゃんが言うと、翔太くんが言い訳します。

「うん、ごめんね。誠がもたもたしてたから……」

お姉ちゃんは、言い訳なんか聞きたくないという素振りの苛立ちようです。

「分かったから、早く上がってよ。おばさまたち、もう始まってるんだから……」

「えっ、もう始まってるの? あっ、そうか、そうだよね……」

二人の会話のやり取りで、お兄ちゃんが一人で来なかった理由を、私はようやく理解できました。

お姉ちゃんは、翔太くんたちが来ることを知っていたんだ。


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