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私んちは淫乱家族
第6章 おじいちゃんとお母さん

お母さんが大学を卒業する春に、お父さんは信州の本社に転勤となり、二人は籍を入れて実家で一緒に暮らすことになったのです。

実家のお義父さんは、美人でピチピチのお嫁さんが東京からやって来るということで、大喜びで歓迎したのです。

お義父さんとは、私にとっておじいちゃんですよ。私はまだ、生まれていませんけどね。


お母さんは信州の実家に着く前の電車の中で、お父さんから、とんでもない忠告を受けていました。

お父さんが東京へ出張の際には、きっと親父が襲ってくるから気をつけろと、注意を受けていたのです。

「これが信州の田舎の儀式だから、嫁は従わなければならんのだ」と言って、親父は必ず夜這いをかけて来るから、襲われないように覚悟を決めて、対応を考えておけと言われたのです。

一年前に妻を病気で亡くしたばかりのお義父さんは、都会のように性のはけ口も無く、ひたすら悶々としていたのですから、息子の嫁こそが絶好の餌食なのです。
そんな親父の、夜這いへの思いが尋常ではなかろうと、お父さんは気遣っていたのです。


だからお母さんは、お義父さんを迎え撃つ心構えについて、あれこれと対策を思案していたのですよ。


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