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第8章 【栄光の座】

不思議ともう、怒りが沸いてこない。
二度と章介の前で泣きたくないからだと思う。




「悠………俺もう」




「ハァハァ……挿れて」




指を絡め合って深く繋がる。
名前を呼んでキスして、激しく。
互いの波も感じてる。
イかせる事もイかせられる事も心地良くて止まらなくなる。




「まだイったらダメだよ？」




「わかってる、もっともっと悠の事イかせまくるから」




「ん………正解、良い子」




私の下で我武者羅に動いてくれれば良いの。
愛おしいよ、苦悶してるサマが。
「あ……イク」って何回言っても激しくピストンしてくれる絶倫っぷりが私を満たしてくれる。




呼ぶ前に来てくれたね。
そろそろ呼ぼうかと思っていたけどこんなフライングは大歓迎よ。




「ハァハァ……悠、もう無理だっ」




「んんっ……イっても良いけどすぐまた勃たせてっ」




「ハァハァ……俺が悠のお願い聞かなかった事あるかよ」




そうね、いつも私に従ってくれていた。
生粋のドMだから。
離れて初めて気付いたところが在りすぎて改めて大切さを噛み締めた。
なのに、まだ宙ぶらりんで縛り付ける私を許して欲しい。




「結婚しよう、いや、再婚になるのか？」って真面目な顔して言うもんだから。




「ごめん、もう人様のモノにはならないって決めたの」




どんなに愛し合っても、
どんなに深いセックスをしても、
当分は独り身のタカラアキで居たいのです。
勿論、恋愛が上手くいくと良いモノが描けないなんて思っちゃいないけど。
私はやっぱりたくさんの愛に触れていたいの。




「魔性の女だな」




肩を落として悄気げる章介も心の底では愛してる。
シャワー後の髪をタオルドライしてあげて触れるだけのキス。




「でも、そんな私、想像出来てたでしょ？」




「え、ちょっと待って、このまま不透明な関係が続くって事？」




「これ以上の関係は与えられないけど、この先どうするかは章介が決めて」




「ズルいなぁ………離れられないの知ってて言うんだもん」




「はっきりさせるべきなのかなと思って」




「………あえて聞くけど、他に関係持ってる相手居るの？ほら、編集者の男とか」