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ナカまで愛でてトロトロに溶かして
第2章 【それぞれの葛藤】





「やっと顔を売るチャンスが来たんだ、実力と名前知らしめたじゃないか、新人のうちにヘコヘコして顔を売るよりちゃんと実力行使でのし上がってきたタカラアキだからこそ、このタイミングで顔を出せば…」




「売り上げに繋がるんでしょ!結局出版社の思うツボじゃん、それが嫌なの」




結局、鍵山さんも会社の利益優先。
そりゃそうだ。
でも……辛い時を二人三脚で乗り越えてきたじゃない。




「まぁ、賞取ってから顔出しする手もあるけどな……まぁ、ここまでは会社としての俺の意見、今からは俺個人としての意見だ……パーティーに出ろ、タカラアキという存在感を存分に突きつけてやれ、別に全国ネットに晒される訳じゃねぇんだから、ずっと俺の隣に居たら変な害虫からは守ってやれるよ」




ズルい………そんな言い方。
2人きりの時の鍵山さんじゃん。
アシスタントの子たちも居るのに。
「うーん」と考えてるフリ。




「あ、そういや柊ミコト先生も出席されるとか…」




「えっ!?ミコト様が!?うそ!?」




柊ミコト様とはギャグ漫画の天才で私も何度支えられ救われてきたか。
1巻から10巻までずっと大切に保管してある。
観賞用と分けて。
いつかはお会いしてみたいなと思っていた。
勝手にお礼が言いたくて、この人の漫画を見て漫画家を志したくらい。




その師匠とも呼べる御方の名前を出すなんて……卑怯者。
ニヤニヤしてどうする?って顔。




「アキ先生、私たちは与えられた仕事こなしますから安心してパーティー出席してきてください、何なら今の倍の量ドンと来い…です」と千景ちゃんまで。




「優秀なアシスタントだね、ドレスコードはこっちで用意するよ」




「え、パーティーっていつ?」




「来月の15日だけど」




「1ヶ月しかないじゃん…!」




「え、どうかした?何か足りなければこちらで準備させるよ」




「違う!そうじゃない!パーティーって言ったらドレスでしょ?ヤバい!ダイエットしなきゃ!ミコト様にこんな私見せられない!」




「そっちかよ!大丈夫、充分お美しいよ、とりあえず出席な?よし」









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