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ナカまで愛でてトロトロに溶かして
第2章 【それぞれの葛藤】





「千景ちゃん、明日からダイエットするからその食事で」




「わっかりました!了解です!」




「ほどほどにな〜?」とだけ言って鍵山さんは帰って行った。
その後に柊ミコトをググった蓮くんは僕も買って見てみますって貸すのに。
あっ、でも、ミコト様の売り上げになるから是非買ってあげて。




そうね、もうキミは柊ミコト様を知らない歳なのね。
ジェネレーションギャップってやつ?
私は中高とどハマりしてたけどな。
まぁ、でも周りの友達は定番の恋愛漫画ばかり見てる中で私ひとりだけギャグ漫画という……そういや浮いてた?
いや、その歴史があるからこそ今のタカラアキは存在してるわけで。




描いてる作風は真逆だけども。
漫画で読む人を楽しませたい……からエロ漫画家になってしまった。
本当なら合わす顔がない。
いやしかし、柊ミコト様にはお会いしてみたい。




名前……くらいは拝見してもらえてるだろうか。
ジャンル問わず漫画家は一括りとして出席枠がある。
勝手に出席にされたけど私、浮きまくりなんじゃなかろうか。
地獄かも。




怒涛のダイエット生活の日々が過ぎ、気持ち痩せた気で居る私は鍵山さんが用意したドレスに着替えた。




「え、サイズぴったりなんですけど、怖い…」




「俺、前職服飾系に居たんだよ、だからちょっと触りゃサイズはわかる」




「え、だから怖っ…!」




「一応、オーダーメイドなんで」




「えぇっ!?そんな、高いの払えないですよ?漫画家の稼ぎわかってますよね!?」




「プレゼントだよ、今回出席してくれるお礼も兼ねて」




鏡の前で着飾る私に嬉しそうな笑み浮かべて、まだセットしてない巻いた髪を払って鎖骨を目立たせた。




「明日、コレ着て俺の隣に立てよ?」




「礼儀作法とか教えてくださいね?出るからには鍵山さんの顔に泥は塗りたくないんで」




肩をそっと抱いて後ろから抱き締められる。
首筋にチュッと唇が触れた。




「その眼力で可愛い事言うんだもんな、ギャップにヤラレちゃうわ、本当はココに俺のだって印着けておきたいのすげぇ我慢してる」




「キスマークという名の内出血で私をモノ扱いですか、子供じみた事するんですね、鍵山さんって」




「意外?」












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