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ナカまで愛でてトロトロに溶かして
第4章 【本音と建前】
嘘でしょ……私のエロエロ計画が台無しじゃない。
蓮くんに突かれながら千景ちゃんにクンニしたかった。
「アキ先生?鍵山さん来られるんですよね?じゃ、帰りますね?」
何か嬉しそうじゃない?
彼氏に頬赤らめて連絡してるし。
その間、蓮くんはそっと耳元で
「浮気しないで?僕、溜めておきますから」と私を煽る。
Tシャツ掴んで踵を上げた。
私からのキスに優しい笑顔。
アイドル顔め。
2人を泣く泣く見送った後。
少しして静かに入ってきた鍵山さん。
いつものシックなスーツ姿で髪を掻き上げる。
ネクタイ緩めて噛み付くようなキス。
この関係………何だかなぁ。
嫌じゃないんだけど、どうしても素顔の前にタカラアキという仮面を着けてしまう。
担当者と恋愛なんて……と胡座をかいていたせいだ。
何度も揺さぶられてきたけどすぐに我に返る。
その時が一番虚しい。
そしていつも確かな気を持って挑もうとするけど、鍵山さんの鋭い目つきを見たら呆気なく絆されてしまう。
気付いたら流されてる。
情けない今日この頃。
「何ですか?良い話って」
「聞きたい?」
「あの、その面倒くさいやり取り鍵山さんでもするんですね?」
「いや、これくらいはさせろよ、俺だってテンション上がってんだからさ」
え?コレでテンションアゲアゲなの!?
いつもと変わらない顔つきじゃん。
アハ…と愛想笑いしか出てこない。
「やっとタカラアキが老若男女問わず世間の目に晒す事が出来るようになるんだよ」
「………と言いますと?」
「ドラマ化が決まった、脚本は湯川慎一で原作は今描いてる“錆と鎖”だ、深夜枠だけど全国ネットだぞ!」
ポカンとしてしまう。
「おい!」って肩を揺らされ我に返る。
湯川慎一さんって誰だろう?とデスクに戻り調べてみると最近ではよく実写化ドラマや映画を数多く手掛けてる脚本家兼プロデューサーらしい。
あ……昔よく見てた小説の実写化にも携わってた人だ。
「悠…?実感わかない?」
椅子に座る私を後ろから抱き締める手。
「あ……うん、そうですね、いや、ケイコが動くんだって思って、アニメじゃなく実写で……わぁ……何か凄いな」