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凌辱のストーリー~雌犬に堕ちていく「涼子様」
第5章 千円札
大皿に盛った肉片が、たちまちのウチに消えていく。

煙にいぶされた網から箸で掴んだ肉は、まだ音を立てながら男達の口に運ばれる。

火傷しそうな熱い肉汁が、口一杯に広がる。

極上の肉は、どうしてこんなに美味いのか。

まるで、自分が犯されているような気分になってしまう。

真っ赤なキムチを同時に頬張り、獣のようにムシャムシャと噛み砕く。

冷たいビールで流し込むと、もう死んでも良いとさえ、田代は思うのであった。

啓造は、食い物には金を惜しまない。

トコトン、美味い物を食う。

それは女にもいえた。

今夜の「付録」は一体何であろうかと考えるだけで、下半身が熱くなった。

まさに「飴とムチ」の効果で、田代は決して啓造には逆らえないのである。

それにしても、と田代は思った。

目の前にいる啓造の食欲の凄さに、である。

自分と違って、しょっちゅう美味い物を食べているくせに、倍以上の早さで平らげていく。

分厚い唇を油で光らせ、ビールもグイグイあおっていく。

自分よりも一回り以上の年上であるのに、この健啖ぶりはどうだ。

女でもそうだった。

田代など足元にも及ばない絶倫ぶりである。

金払いが良いせいもあるが、その強さにクロウトの女達には結構人気がある。

何もかも啓造には勝てないと田代は思う。

そして、一生屈辱を感じながらも「おこぼれ」を待つ「飼い犬」でいるしかないと、自分に言い聞かせるのであった。

そんな事を考えながらボンヤリ見つめる田代の目と合った啓造は、怒鳴るように言った。

「何、見てやがんだっ?」

しか、し田代にはそれが上機嫌時の啓造特有の口調だとわかっていたので、わざとおどける調子で答えた。

「な、何言ってんスか。先生が近頃、元気が無かったから心配していたスよぉ・・・。でも、その食いっぷりを見りゃ大丈夫か・・・。」

田代に図星を突かれ、照れくささを隠すように大きな手で頭を叩いた。
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